映画
「趣味を持つ」ということ。20世紀になってから、恐らく一般の庶民にも、前世紀では考えられなかったであろう、多岐にわたる「趣味」を持つことが可能になったのではないかと思う。 それは読書にしろ音楽鑑賞にしろ、それから映画鑑賞や演劇鑑賞、スポーツ観…
デビュー当時のレニー・クラヴィッツは、まるで何かに取り憑かれたように「70年代の音」の再現に固執していた。ヴィンテージの機材/楽器/スタジオを使用し、レコーディングの際には70年代っぽい音を奏でるミュージシャンを起用。「ただの懐古主義じゃないか…
「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」 良かった点 チーム結成のいきさつを簡潔に描いたアヴァンタイトル。最初にこんなものカマされたら!という多幸感に満ちたオープニングで掴みはバッチリ。 山場に次ぐ山場。そして驚くことに、どの山場もダレなしで息をつかせ…
古澤健監督(id:Full2yn)、待望の新作!一足お先に内覧試写で拝見いたしました。 ファーストカット。大空に羽ばたく鳥に、長い髪をなびかせるヒロイン:ゆかり(藤代さや)の姿がオーバーラップする。映画を見終えてからこのファーストカットのことを思い出…
マクドナルドのトレイの上に敷いてある、「クルー募集!」といった内容の紙。 あの「クルー」という呼び方がとても引っかかる。なんかカッコ良い感じの呼び名ではあるが、ようはバイトである。 スティーブン・ソダーバーグの新作「ガールフレンド・エクスペ…
デビルズ・ケトルという片田舎の町の高校に通う、幼なじみのジェニファー(ミーガン・フォックス)とニーディ(アマンダ・セイフライド)。抜群の容姿で学校中の注目の的である小悪魔タイプのジェニファーとは対照的に、堅実で地味なルックスのニーディ。あ…
ハッタリの利かせ方が中々痛快な作品でした。「人の頭の中/夢の中に忍び込んで、アイデアを盗み出す/植え付ける」というのがこの映画の主題となっていて、それだけ聞くと「なんだそれ??」と思うでしょうが、その世界の説明を冒頭のエピソードで見事にやっ…
少女は新たな家族との生活を始めようとホンジュラスからアメリカへ北上するために。少年はギャングの一員として無賃乗車で北上しようとする人々から金品を強奪するために。貨物列車の屋根の上で、二人は出会ってしまう。そんな「あらかじめ失われた」ボーイ…
シングルマザーの教師:森口(松たか子)が、たまたま学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した。幾つかの状況証拠から、事件は事故ではなく、自分のクラスの生徒による犯行だと踏んで、森口は生徒を追い詰めていくのだが……というお話。中島哲也…
アフガニスタンに従軍している夫:サム(トビー・マグワイア)のヘリが迎撃されたとの連絡を受ける妻:グレース(ナタリー・ポートマン)。葬儀は遺体がないまま行われた。二人の娘とサムの弟:トム(ジェイク・ギレンホール)の助けを借り、新たな生活を歩…
テキサスはボディーンという片田舎に暮らす高校生の女の子が、ふとしたきっかけでローラーゲームと出会い、成長していく物語。 ドリュー・バリモアが初監督に選んだ題材は、恐ろしく既視感のある、ある種「凡庸」と言い切ってしまっても間違いではない青春映…
内戦下のリベリアを生きる少年兵の物語。チンチンに毛も生え揃ってないような子供たちが、リアルな殺し合いに身を投じている日常。それは一体どういったものなのか? 今ちょうど読んでいる四方田犬彦の「驢馬とスープ」という本の中で、四方田先生は「人はな…
「17歳の肖像」 勝気で有能な若者が苦い挫折を味わい、再起をかけて最後の戦いに挑む……ってこれジャッキー映画じゃないですか!(若者が見限るのが“学校”で、学校では教えてくれないことを教えてくれる“導師”を慕うが、彼の暗部を垣間見て最後には対峙するは…
近未来。サム・ベル(サム・ロックウェル)は、月の裏側で、地球での主要エネルギー:ヘリウム3を採掘する仕事に、月面にただ一人赴任していた。もうすぐ3年の契約期間を終えようとしている。ある日、ヘリウム3の採掘作業中の事故により、サムは大怪我を…
人が仕事を選ぶ以前に、仕事が人を選ぶ、という状況がある。 以前、飲食店でアルバイトをしていた頃の話。この店は、オフィスビルに囲まれた場所にあって、平日の昼はまさに「戦場」であった。私は、厨房とホールを担当していたが、慣れない頃は「どうして皆…
109シネマズ川崎のIMAX-3D版が16日(金)で終了する、とのことで、見納めとして再度劇場へ駆けつけました。先行公開(Xpand)、元旦にIMAX-3D版、そして再度IMAX-3Dと、合計で三回観たことになります。そして、三回目にして色々と気付いたことがありました。…
「ギャング・オブ・ニューヨーク」…「アビエイター」…「ディパーテッド」…… この三作で組んだレオナルド・ディカプリオとの00年代は、マーティン・スコセッシにとって完全に「Lost Decade」となった訳ですが(おまけに「ディパーテッド」のような駄作で功労…
一年で322日も出張し、全米を駆けずり回って企業の代わりに社員に「クビ」を言い渡すリストラ宣告人のお話。 空港を自ら「Home」と呼び、「出張」というシステムに隷属しているボク。「そんなボク:ライアンのモットー、日常のディシプリンをご紹介します」…
小ネタです。通勤電車でポスターを見るたびに気になってたんだけどようやく判明。全体のトーンが「あれ?お手本にした?」っていうぐらい同系色で構成してあるような気がします(この映画の監督にバレたら色々と面倒臭そうだゾ☆)。 そして、両作品に「邦画…
原作未読。どうしても字幕版が観たかったので、オープンしたばっかりの横浜ブルク13で公開初日のレイトを観て来ました。 こんな姿でノリノリの父親を見て娘は何を想うのか・・・。しかしながら、これが出来てラストサムライも出来る(何より英語が喋れる)って…
最近、訳あって、母子家庭について調べたり考えたりすることがありました。 自分を育ててくれた両親というのは、離婚などとは縁遠く、60を過ぎて二人きりで韓国に旅行に行ったりするぐらいにはイチャイチャしていて、そもそも子どもをこんな風に育てようとす…
ディズニーが10年代(テンネンダイ!)に初めて贈る*1セル画2Dアニメは、なんとニューオリンズが舞台で黒人の女の子が主人公。この設定だけでかなり制作陣の本気度が覗えるのですが、蓋を開けてみれば、そのディズニーのアッパーなファンタジー加減と黒人文化の魅…
予告編の売り方だと「ボンクラ兄弟が織り成すハチャメチャ珍道中!」みたいな感じで、「ああ、また田舎のアンクールがクールみたいなヤツか…そういうのもうお腹一杯だな……」と思っていたら、いざ蓋を開けてみてビックリ。良い意味で期待を裏切る、地に足が着…
TOHOシネマズ系のシネコンで上映中の「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」という企画で鑑賞。 妻:ベリンダ(ミア・ファロー)がウィークデイに怪しい外出をすることが多くなり、いてもたってもいられなくなった会計士の夫:チャールズ(マイケル・ジ…
突然「どうも、ネルソン・マンデラです。いつもブログ拝見してます」というようなメールが来たらどう思うだろう? まず緊張してジットリ変な汗をかくだろうし、いやぁこれからは下手なこと書けねえなぁ! と思うはずである。 『インビクタス』は1995年、南ア…
まずベスト5本を挙げてみます。 1. 3時10分、決断のとき 2. ダウト〜あるカトリック学校で〜 3. スタートレック 4. イングロリアス・バスターズ 5. アバター 「3時10分、決断のとき」色々グッときました。「アイデンティティー」みたいなバカミスを撮っ…
月刊誌『ミレニアム』のジャーナリスト:ミカエルは、ある実業家の不正告発記事が原因で、名誉毀損の有罪判決を言い渡されてしまう。そんな彼のもとにある調査依頼が舞い込む。依頼主は大財閥ヴァンゲル・グループのヘンリク。40年前、16歳にして突如失踪し…
あの、なんていうんでしょう?戦車のプラモとかに付いてくる兵隊の人形、「トイ・ストーリー」のグリーン・アーミー・メン、みたいなヤツあるじゃないですか?あれで近所の友達を誘って「せんそうごっこしよう!」と息巻いたK少年(9歳ぐらいのワス)は、生…
身代わりロボット「サロゲート」が人間の社会生活のすべてを代行する近未来。人間は自宅からサロゲートを遠隔操作するだけとなり、破壊されても害が及ばないようになっていた。ある日、男女2人のサロゲートが何者かに破壊され、持ち主の人間も死亡する事件が…
俗に「男は別名保存、女は上書き保存」なんていう言い回しがある。 恋愛関係において、終焉を迎えた際にその多くが「男の方が長いことその破局を引き摺り、女は綺麗さっぱり忘れて次の恋へ」という意味合いの事象を簡潔に言い当てた名言であると思うが、この…