2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年公開作品ベスト10&その他

1. 『刺さった男』 (感想) 2. 『ニード・フォー・スピード』 3. 『ショート・ターム』 4. 『GODZILLA』(感想) 5. 『あなたを抱きしめる日まで』(感想) 6. 『大統領の執事の涙』 7. 『ゴーン・ガール』(感想) 8. 『ウルフ・オブ・ウォールストリート…

廃モールと冷めゆく愛「ゴーン・ガール」

※内容に触れています。 妻:エイミー(ロザムンド・パイク)が失踪するその日の朝、夫:ニック(ベン・アフレック)が、わが町セントルイス州カーセッジを見渡すカットがある。そこでニックは、横断歩道を渡ろうとするホームレスの集団に目をやる。 ニックは…

アニメ映画ベストテン

今年もワッシュさんのベストテン企画に参加いたします。今回のお題は「アニメ映画ベストテン」です。そんなに熱心にアニメ作品を追ってはいないのですが、自分が印象に残っている作品を以下に10本ほどあげようと思います。順不同です。 ■ピクサー作品 ・『カ…

人生の輝きは桃の香り「刺さった男」

自分の身体の一部に刺さった鉄の棒が、熱され、その熱が脳に伝わり悲鳴を上げる。これは一体どのような体験だろうか?長年映画を観てきてこのかた、これほど恐ろしい場面にお目にかかったことがないような気もする。 アレックス・デ・ラ・イグレシアの2012年…

堕ちるも沈まない女 『ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2』

映画でも小説でも、「堕ちていく女」の話は、「堕ちていく男」の話のそれより多いような気がするのは気のせいだろうか? ラース・フォン・トリアーの新作「ニンフォマニアック」はvol.1とvol.2からなる、合わせて4時間の大作である。性に奔放な女性:ジョー…

「バッドタイム」(監督:デヴィッド・エアー)

近所のスーパーのワゴンセールで、廉価版が500円で売っていたため何の気なしに購入し鑑賞。が、これはちょっと今までスルーしていたのが勿体無いぐらいの異色作だったのでここに記しておく。 映画は主人公のジム(クリスチャン・ベイル)が兵士としてアフガ…

おうちへかえろう「GODZILLA ゴジラ」

映画における残酷な描写の一つに「子供が死ぬ」という状況がある。主要なストーリーと関係なく、台詞もろくにないような子供が、例えば交通事故などで死んだとして、それはある種、三番手ぐらいの大人のキャラクターの死より鮮烈であったりする。 怪獣映画と…

ジム・マクブライドという監督

先日、タランティーノもオールタイムのベストに入れるという(この人の“オールタイム”はしょっちゅう変動するので今もランクインしているかは不明)「ブレスレス」を観直す機会があったが、あまりにも面白く、監督のジム・マクブライドのことは以前から気に…

イン・ザ・ネーム・オブ・何?『ダラス・バイヤーズクラブ』『あなたを抱きしめる日まで』『チョコレートドーナツ』

今年上半期に観た作品、それも実話ベースの作品を多く鑑賞したような気がしたが、それらの作品の中にある共通点があることに気が付いた。それは「本来であれば人を守るべきものが、一部の人間には時に障壁となって立ち塞がる」というテーマである。 『ダラス…

もう一人のベイトマン「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

昨年の暮れに、映画批評としては実に20年ぶりの単著となる「映画のウトピア」を発表した粉川哲夫氏が、その中で『アメリカン・サイコ』について以下のような指摘をしていた。 情報化への産業構造の本格的な変化のなかで、彼ら(ヤッピー)は、弁護士、医者、…