人間だもの。「サロゲート」
身代わりロボット「サロゲート」が人間の社会生活のすべてを代行する近未来。人間は自宅からサロゲートを遠隔操作するだけとなり、破壊されても害が及ばないようになっていた。ある日、男女2人のサロゲートが何者かに破壊され、持ち主の人間も死亡する事件が起きた。FBI捜査官のトム・グリアーは、サロゲートの最大手メーカーVSI社と事件とのかかわりを捜査していく(wikipediaより)。
これは非常に良い「B級SF映画」。冒頭から終盤の「実は○○が○○だった!」みたいな、観客の予想から1mmも外れることのないオチまで、気持ちよくボケーっと観ていられる作品。
ナヴィの人たちが後半になるにつれ非常に魅力的に描かれていた「アバター」に対して、こっちの代理ロボット「サロゲート」は終始薄気味悪く描かれているのも象徴的。それもそのはず、代替え肯定(お話し的にも映画技術的にも)映画だった「アバター」に対して、「サロゲート」は「人間性こそ何よりも尊い!」と説く代替え否定映画。こういう大オチの力強さをストレートに描けてしまうって、何だかそれだけで尊敬してしまう(裏テーマはこれまた定型である「冷え切った夫婦関係の修復」!)。
監督は「ブレーキダウン」や「ターミネーター3」のジョナサン・モストウ。「T3」で顕著だった、クレーン車がバッカンバッカンと街を破壊しながら突き進んでいったり、美女ロボと筋肉ロボがトイレでバカスカと殴り合い蹴り合うような「アクションをよくわかってらっしゃる」演出で、爽快この上なし。今回も観客を飽きさせることはない。
面白かったのは、人々がサロゲートでプラグイン状態の時、たいがい皆、パジャマにカーディガンといった格好をしていること。これは・・・・・・就寝前にツイッター(かつてはmixi)や、Ustのストリーム放送を聴きながらチャットに興じる我々の格好と、何ら変わりがないではないか!