ジェンキン寿司「キャビン」


ヘイ、らっしゃい!お、旦那ずいぶんご無沙汰だったんじゃないですか?旦那は本当に地底がお好きで最近めっきり出てこられないもんだからアタシも寂しい想いをしていたところなんですよ!さぁさぁ、細かいことは抜きだ!何からいきましょう?今日も旦那好みの良いネタをたっぷりとご用意さしあげてますよ!日本の女学生を校内で一人一人血祭りにあげるのはどうですか?おや、旦那はそういうご趣味はなかったんでしたっけ?じゃあアレだ、アメリカのバカな学生が避暑地でハメを外しにきたはずがエラい目に遭う、っていうのはどうでしょう?まぁ、いわば鉄板ネタですけど、いや、鉄板ってもネタを焼いたりはしませんよ!うちは寿司屋ですからね!よーし、じゃあそのアメリカのバカ学生5人が血祭りのネタ、握っちゃいますね!
「キャビン」は、こういうオッサン文化に若者が中指を突き立てる、非常に痛快な映画である。
腐ったシステムがある。その腐ったシステムの上に「だってそういうもの」とあぐらをかくことに何の疑問も持たない性根の腐った輩がいる。しかも集団で。ではそういう奴らに一泡吹かせてやるにはどうしたら良いのか?それは差し違えてでもパンドラの箱を開けちまうしかねーんじゃねーの?

こうして「レッツ・ゲット・ディス・パーティー・スターテッド」と、若者が反撃の狼煙とばかりにポチッとなとボタンを押してからの阿鼻叫喚展開は、おそらく上半期でもっとも幸せな映画的体験であった。
ホラー映画のメタ構造云々と言うよりは、そんなもん全部ブッ壊しちまえ!というパンキッシュ極まりない映画となっており、10代の頃に観たらさぞや興奮したであろうなぁ、と40近いオッサンは思うわけである。そして、自分がまさに10代の終わりに出会ったあの曲がエンドロールで流れるので、それにもちょっと目頭を熱くしたことを、この機会に告白しておきます。

Broken
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