アナログ愛好家へ向けてのデジタル戦略

先日、ブロンド・レッドヘッドの今年の春先に出たアルバム「23」を、アナログ盤でようやく購入しました

23 (Dig)

23 (Dig)

最近、アナログ盤って本当に憂いの目にあっていて、一時期に比べて(自分の実感としては、購入し始めた90年代半ばぐらい?)確実に店頭に並ばなくなっています。なので、気になる音源を店で見掛けた場合は(明らかにCDと比べて高価でなければ)極力アナログ盤で購入するようにしているのですが、今日、渋谷のHMVでロックのコーナーを覗いていたら、以前から欲しかったブロンド・レッドヘッドの上記アルバムが1775円!安い!と思い購入すると・・・

何やらステッカーが貼ってある。よく見ると・・・
DOWNLOAD HIGH QUALITY MP3S OF THE ENTIRE ALBUM
SEE COUPON INSIDE FOR DETAILS















とある。要は「アルバムのMP3(高音質)がダウンロードできるよ!詳しくは中のクーポンを見てね!」ってことなんですけど、これを読んでハーなるほどね!と思ってしまいました。
CDで購入した場合は、そのままPC→MP3プレイヤーという経緯で済みますが、アナログ盤からMP3に落とすには
アナログ盤→CD or MD→PC
という工程を経ないとならない。でもこれって凄いメンドくさいんですよ!解決策としては以下のようなフリーソフトを利用した落とし方もあるようですが・・・

これだって面倒といえば凄く面倒。だって、いちいちアナログに針を落としてA面ならA面が終わるまでジーっとまっていないとならない。更にアルバムだと、2枚組みのアナログ盤などは割とざらなので、工程としては
A面に針を落とす→A面終了→ひっくり返してB面→B面終了→レコード1をしまってレコード2のC面に針を落とす→C面終了→ひっくり返してD面→D面終了!
やったー!!!(イメージとしてはデス・プルーフのラストっぽく!)
メンドクサーーー!!!幼児ならグズって「お腹空いた」とか言い出しかねない手間暇を要するのです。その煩わしさを一気に吹っ飛ばしてくれたのが、今回の手順です。話を二枚目の画像に戻しますね。
「詳しくはクーポンを見てね!」それがこれです。

「このサイトに行けや」「これ、オマエのユニークコードね」的なことが書いてある。そして、言われた通りにサイトを訪れると・・・

「オマエが買ったアナログ盤のIDと、クーポンのユニークコードを入れろや」ってこと。IDとは、アナログ盤のバーコードに記載されている番号。これでsubmitをポチッと押すと、ダウンロードページにたどり着き、MP3を落とせるようになっています。とっても楽チン!
これって、恐らくDJとかそういう用途でアナログを購入する若年層に向けて「でも移動するときはMP3プレイヤーとかで聴いてるでしょ?」と潔く認めた中々賢い戦略だと思います。もしかしたら今に始まったことではないのかもしれませんが、自分は非常に画期的なセールスプロモーションだと思いました。所属レーベルとか、そういう母体の理解力などに物凄く左右されると思いますが(そんな必要ない!とか一蹴されそう)、ほとんどのアナログ盤の新譜でこういうことをやってくれたら、アナログ盤の売り上げはもっと伸びるような気もします。
このアルバム収録曲では以前駄目PV100選で紹介した、ミッチェル・フルーム絡みの以下の曲が良かったです。


追記:ステッカーに「PLUS FOUR ADDITIONAL TRACKS」とあったけど、そんなものはどこにもなかった