映画秘宝10周年記念企画 追悼!石井輝男
10月15日、もう半月ほど前の話で何だかマヌケなんですが、一応記録として。
- 1本目「直撃地獄拳 大逆転」
イイ大人がジュースにフケを入れたりハナクソを入れたり何とかして女の人のパンツを覗こうと試行錯誤するのと、敵に怒りの制裁を加えたら勢い余って首を「グリッ!」と360度回してしまう過剰さ、その両方が同一線上に、同じ熱で語られているのが凄いです。現代に比べ、プログラムピクチャーを土台に活躍してきたスタッフ/キャストの体力の差をまざまざと見せ付けられた思いがしました。「一種の奇形児ですな!」
池玲子がとても当時18歳とは思えない大人っぽさでビックリしました(タイトルロールから全裸で殺陣!)。よくよく考えてみれば、日本国内で“あんな所”にシャブを隠す必要性は全く無いのですが、そんなことどーでも良いと思わせてくれるだけの過剰なサービス満載!スクリーンで観る3年分ぐらいのオッパイをこの映画1本で観た気がしました。「ハッ!芝居だよ!」
この映画、英語圏だと「Female Yakuza Tale :Inquisition and Torture」というタイトルなのですが、それで検索していたら輸入盤DVDのトレイラーを見つけました!
http://media.panikhouse.com/trailers/femyakuza_small.mov
オープニングの全裸殺陣もチラッと拝めます。池玲子カッコ良い!!DVD発売元のページでは前作「不良姐御伝 猪の鹿お蝶(英題“Sex & Fury”!)」の他、色々なトレーラーを見ることができますよ。
Panik House→ http://www.panikhouse.com/
- 3本目「狂った野獣」
ここで何故か中島貞夫の映画が。でもこれが凄く良かった。基本的にはバスジャック物なんですが、一発ギャグの為に人を殺したり(室田日出男akaダーティーハリーになれなかった男)、トラブル要因として運転手が心臓病を抱えていたり(しかもそれを知った上で搭乗させる上司!)、渡瀬恒彦が本当にバスを運転していてスタント無しで転倒までしたりetc…と、これもやっぱり尋常では無いパッションが漲っている映画で、正直「石井輝男追悼」をウッカリ忘れてしまう強力な筆圧を伴った怪作でした。イメージ的に配置される三上寛の演奏シーンとか、最後の記者会見で人質一同がションボリしちゃうところとか、斬新で良かったです。
石井聰亙自らPAをいじるという爆音上映。「爆裂都市」は以前観ていたので、もっと無茶な映画かと思ったら(いや充分無茶な映画ですが)、結構ちゃんとストーリー性のある作品でした。というか「狂気の桜」って、明太ロックがKダブになっただけでコレをまんまとなぞってるなぁ、と思いました。「君が代」を歌いながら登場するスーパー右翼の偉い人:小林稔侍と、魔墓呂死の頭:仁さんを演じる山田辰夫が素晴らしかった。当時のヤンキーが喧嘩を売る時に「コノ百姓がぁ!」という農業蔑視に基づいたディスりを展開する、ってのはちょっと面白かった。「テメ何言ってんのか全然わかんねーんだよー」
以上4本、22時に始まって朝7時頃まで、血中濃度の高い映画を立て続けに観たわけですが、それぞれ色んな面白がり方が出来たので楽しかったです。来年もまた参加したい。
追記:池袋新文芸座では追悼特集として石井輝男作品を11月11日まで上映しているようです。
スケジュール→ http://www.shin-bungeiza.com/schedule.html#1029