HOTTO MOTTO FUZZ! 〜ホット・ファズ〜

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!を観ました(@チネチッタ)。

ロンドンの堅物エリート警官:ニコラスは、「仕事が出来すぎる」という理由で上司に煙たがられてド田舎に左遷。左遷先の田舎町サンフォードでは、ニコラスの赴任とほぼ時同じくして、血なまぐさい殺人事件が連発。殺人事件さえ呑気に気にかけない町の人々をよそに、ニコラスは捜査を始めるのだが…というお話。
デビュー作にして出世作「ショーン・オブ・ザ・デッド」に続く、エドガー・ライトの二作目。主演は「ショーン〜」から続投のサイモン・ペグ&ニック・フロストのナカヨシ〜な二人。劇場公開を求める運動など、ファンの念願かなってやっとのこと劇場公開!となりましたが、そんな熱い期待に十二分に応えてくれる大傑作でした。
まず主人公:ニコラスのロンドンでのスーパーコップぶりを、短いカットで矢継ぎ早に畳み掛けるアヴァンタイトルに圧倒されます。しかもこの短い繋ぎも後半の伏線になっていたりして、相変わらずの上手さに感心しました。
前半。サンフォードという架空の町を心地好い脱力加減で紹介。パブでティーンエイジャーを一斉検挙するシーンなどがのっけから物凄く可笑しい。そして観客が緩急しきった所へ、サスペンス風に転調し結構なゴア描写の殺人シーンが盛り込まれ、グイグイと観客を引っ張っていきますが、本当に凄かったのは後半のハードな銃撃戦を含むアクションシークエンスでした。

西部劇よろしく、ご丁寧に馬に乗って登場のニコラス。このLet's Go.Why Not?な展開は、近年劇場で観た中では5本の指に入るぐらいの燃える(と同時にニヤニヤ)シーンでした。エドガー・ライトは「わらの犬」を意識したそうですが、襲ってくる刺客がたいそう年齢層高めという共通点で、私は「誘拐犯」の銃撃戦を思い出しました。
※2:47ぐらいにちょいグロ(というか…痛ッ!)あり注意
前作から引き継がれている点として、今回も二人の間のBL的やりとりがそこかしこで確認できます。「ウチでもう一杯飲んでく?」「いや、止めておく」「じゃあDVD観ながら紅茶でも」「紅茶か…」とか、これ完全に男女間の駆け引きじゃんか!
Hotto Mottoな二人
下半期スタート早々、2008年度ベストに大きく食い込んでくるであろう作品でした。最後にある映画監督の「ホット・ファズ」劇場公開を求める際のコメント(名言!)を引用して〆たいと思います。

「傑作は傑作を生む。『ゾンビ』は『ショーン・オブ・ザ・デッド』を生んだ。『HOT FUZZ』はそういう傑作だ。エドガー・ライトは偉い。『HOT FUZZ』を観た中高生の8割は確実に「映画もどき」を作り始めるだろう。そして、その中の一人は確実に将来傑作を撮る監督になり、一人はそいつに映画を撮らせる名プロデューサーになり、二人は日本を代表する役者になるはずだ。『HOT FUZZ』を公開しないということは、日本の映画を20年遅らせるということだ。そんな罪悪は許されてはならない。いますぐに公開しろ!」
古澤健映画監督 「トワイライトシンドローム デッドクルーズ」「オトシモノ」など)

「ホット・ファズ」はR-15だけど、法的拘束力はないから中高生のみんなも「キッズリターン」みたいにテキトーな変装してガンガン劇場に押しかけたら良いと思います。