その警鐘を鳴らすのは私でないと!
ちょっと体調を崩してしまい、その静養も兼ねて話題の本を読んでみましたよ(ニヤニヤ)。
- 作者: 三浦展
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/09/20
- メディア: 新書
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「下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ。(「はじめに」より)
とまぁ、この本はこんな煽りで始まり、以後も「上が15%、中が45%、下が40%の時代がやって来る!?」「団塊ジュニアの「下流化」は進む!」「年収300万円では結婚できない!?」「自分らしい人生という呪文/自分らしさ派は階層意識も生活満足度も低い」「下流の男性はひきこもり、女性は歌って踊る」「上流は社交的、下流はだらしない」等、様々なヴァリエーションで煽り、「団塊ジュニア女性の子供たちが階層社会を決定づける/親の生き方にかかわりなく、子供は自分の生き方を選択できねばならない」と結びます。
そして、そのような階層差の無い社会にする為にはどうしたら良いか?という問題に一応の答えを提示しているんですが、これが・・・
- 下駄履き入試!(親の所得の低い家庭の子供は合格点を下げればよい!)
- 東大学費無料化!(一流大学進学を諦めている下流の子供も上京をためらっている地方の子供も頑張って勉強をする動機付けができる!)
- 大学授業インターネット化!(ちなみにこの前の章で階級差が拡がるという懸念から『グローバル・ヴィレッジではなく、ただの村』とネット批判!)
- 地方から東京へ進学した場合の進学援助!(60〜70年代に若者文化が興隆したのは地方から東京などの大都市にたくさんの若者が集まってきたから!ワォ!)
- 上流には「ノブレス・オブリュージュ(高貴なる者の義務)」を!(高所得者は税制ではなく、寄付という形で社会に富を還元するのだ!)
という、恐ろしくザックリとした5点。わずか5ページにて簡潔にまとめて下さっております。散々危機意識を煽っておいて、風呂敷を広げるだけ広げて、既出感タップリのこの結論!そしてシメには何と「ただしこの問題は大変デリケートな問題であるから、今後、社会学者が本格的な研究をされることを望む」とエクスキューズ!えー!投げっぱ!?素晴らしき高みの見物観です。
この本のカテゴライズで言うと間違いなく下流に位置する自分も、色々な意味でビックリしながら拝読させて頂きました。面白かったです(色々な意味で)。
あと、仲俣暁生氏のコチラ↓の評も非常に興味深いです。
ちなみに筆者の三浦展氏は↓こんな方。高橋名人似のナイスガイですね。
http://www.works-i.com/special/newgeneration6.html