シークレット・サンシャイン

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舞台となる「密陽」の雰囲気がよくわからなくてもどかしいですが、多分コレは韓国のサバービア映画なんじゃないかと思う。ソウルからわざわざ密陽までやって来てピアノ教室を開く主人公：シネさんのことを街の人々は「変わり者」という目で見ているし、シネさんの弟が物語の序盤と終盤にソウルから電車で来るのが象徴的だし。
失意の底にいる人間の前にヒョイっと差し出された「信仰」。それを盲信することで、辛い過去を忘れようとする人。だがそれは現実逃避として信仰に身を捧げた“振り”であって、中盤のある出来事、本来なら「主の御心に感謝」とか言わなければいけない場面でその不条理を理解できず、彼女はそれをきっかけに完全に崩壊してしまう。
142分という結構な長尺な作品ですが、信仰に振り回された女の地獄巡りとしては十分に必要な尺だったのではないか、と見終えるとよく解ります。カサヴェテスの「こわれゆく女」とか、ラース・フォン・トリアーの「奇跡の海」なんかを思い出しました。後半、シネさんが自覚的にニンフォマニアっぽくなって神に戦いを挑む展開はちょっと「アマデウス」のサリエリみたいだなぁ、と思ったり。中々の力作だと思います。あとソン・ガンホのファンで、もしまだ見てない人がいたら必見！

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