「クリスティーナの好きなコト」を観ました。

ネットで観た人の感想を幾つか読んでみましたが「ファレリー兄弟的な下ネタ満載のお下劣コメディ」といったものが多く、間違いでは無いのですが、ファレリー兄弟に比べて決定的に違うのが「ルーザー目線の欠如」でしょうか。
まず、主役のクリスティーナを演じるキャメロン・ディアスと、その友人を演じるクリスティーナ・アップルゲイトの職業がデザイナーかなんか、セルマ・ブレアはアパレル関連で働いていて、3人で部屋をシェアしながらもそこそこイイ暮らしを送り、ドレスコードのあるクラブでは顔パス。さらにクリスティーナには男は寄ってくるものの「選り好みし過ぎてしまって、本当の恋をするのに臆病になってるの…」だって!もうこの設定の時点で既に「勝ち組だからこその憂鬱」な訳です。そんな主人公に果たして感情移入できましょうか?!というハードルを乗り越えてこそ、この映画の、もしくはラヴコメ全般において勝利ということだと思うのですが、私的には消化不良に終わったように感じました。
大抵、この手の話の場合「高飛車な人間が物語を通して成長していく」過程が描かれていくものですが、この映画の場合、下ネタ方面に足を引っ張られ過ぎで、その分、肝心の主人公やその相手の心理描写がかなりお留守になっていて、クリスティーナも最後で一応の成長を見せるものの、それが非常にステロタイプな成長だったりして、どうも腑に落ちません(そこへ行くとファレリー兄弟の場合は「下」と「内面描写」バランスがキチンと取れていて抜かりがないと思います)。
だがしかし!この映画で一番素晴らしいのは↑画像のセルマ・ブレア!この映画における彼女の屋台骨っぷりはハンパじゃなく、例えば…
監督 「OKセルマ、次は君が彼氏にフェラチオしていたらチンポのピアスが君の喉チンコに引っかかって抜けなくなってしまう、というシーンだ。準備は良いかい?」
なんて問いかけにも恐らく
セルマ 「ええ、バッチリ。カメラはあそこね」
とか平然と応えているであろう彼女の腹の座り具合には、もうただただ頭が下がる思いです。
色々批判めいたことを書きましたが、そんなに小難しく考える映画ではないと思うし、気の合う友人たちとワイワイ観る分には十分に楽しめるであろうユル〜いラヴコメなので、カウチのお供などに是非どうぞ。