Ginger Does'em All 「SWEET BROWN ADDICTED」

SWEET BROWN ADDICTED

SWEET BROWN ADDICTED

ジンジャー・ダズ'エム・オール(アーティスト名の元ネタは洋ピン!)の通算4枚目のフルアルバム。なんというか、普段はワッサーでチンコウンコ言ってるだけのヨゴレだと思ってたら本業として「遂に本気を出した!」という感じで、現時点で彼のキャリア上の最高傑作なのではないか?という気がします。
まずフュージョンっぽい女性Voのフックが印象的な「1.MIDDY-BIDDY」で幕を開けたかと思えば、続くストリングスやスキャット、ホーンセクション、ピアノなどの様々なカットアップが乱れつつも絶妙に絡んでいく「2.LET YOURSELF」におぉ!と驚き、浮遊感漂うスペイシーなFUNK「3.REPTILES FUNK」で堂々の貫禄を見せつけたかと思えば、次の「4.UP!」ではGDAお得意の怒涛のアフロビートに突入!これは文字通りアガル!
「UP!」の盛り上がりで一区切りついた後はパーカッシヴなビートに過剰にカットアップされた熱い女性Voが絡む「5.AFROSTANDING」でまだまだジワリジワリと盛り上げ、シンセなど幾多の鍵盤楽器を切り刻みシンコペーション多様のガツガツしたビートにのせる「6.MOUTH TO MOUTH」、そしてヴィヴラフォンのループがクールな「7.SANDY」で(個人的に今作で一番カッコ良いと思うので)アルバム最大の盛り上がりが!
と思ったら一転して1.のようにメロウな「8.WHEN IT RAINS」、エレピのループが温かい「9.ORDINARY PEACE」などで一息いれつつ、まだ山場は終ってなかった!「10.SISTER HATE」では、もうビートといい上モノのカットアップ具合といい、完全にヒップホップのソレ!ハンドクラップ!(このトラックでラップさせてくれ、っていうアーティストは洋でも邦でも結構いるんじゃないだろうか?)
残り2曲は、再びメロウ路線かと思わせて終り方が何か気持ち悪くて面白い「11.RUB THE HONEY ON ME」、そして最終曲に相応しいジャジーな「12.COKING BLUES」で幕を閉じます。
全体としての印象は、これまでで一番ポップなアルバムに仕上がったという感じが強いです。関連性はあるかどうかわからないけど、どうやらダズ'エム氏はこのところ80'sアイドル歌謡にハマったらしく、もしかしたら自分でも気付かない所でそうしたポップな要素が新作に結びついたのかも知れません。
あとは彼のルーツである「メタル的なクドさ」。上記曲毎の感想でも述べましたが、カットアップによっては(特に女性Voを徹底的に切り刻んで繋げる様)ちょっと笑ってしまうようなクドさで、というか明らかに笑かそうとしてるだろう!というイタズラっ子さを感じます。
確か、2ndアルバムの制作に入ろうとしていたビースティ・ボーイズが、クラブで偶然掛かっていたダストブラザーズのブレイクビーツを聴いて、「コレだよコレ!コレに俺たちのラップをのせたい!コレ誰?」という話になり、アルバムのプロデュースに大抜擢された、という有名な逸話がありますが、ダズ'エム氏にもそういう幸せな出会いがあるとイイですねぇ、と、傑作「SWEET BROWN ADDICTED」を聴きながら思ったのでした。
そして売れてお金持ちになったらお寿司とか奢って下さいね☆