無料DLでフランス現行シーンに触れる 仏インディーレーベル「ラ・スーテレーヌ」


 休日にbandcamp内を「name your price」や「free downloadといったタグで探っていると、その二つで共に多く引っかかる「La Souterraine」というレーベルに辿り着いた。
 しかもこのレーベル、この音源一覧のアルバムは全て投げ銭DLが可能(つまり0円でもオーケー)となっており、丸一日を費やして大体の音源を把握し、そのクオリティの高さ、そしてそれを広く解放拡散してしまうレーベルの心意気/太っ腹加減に感動。後日に色々と調べてみると、以下のリンクで事情通の方が既に紹介しており、非常にためになりました。

 今から約1年前の2014年1月、パリのレーベルAlmost Musiqueの代表者バンジャマン・カシュラとパリのラジオ局アリグルFMのDJだったローラン・バジョンが中心になって、フランス語で「アンダーグラウンド」を意味するラ・スーテレーヌ(La Souterraine)というサイトを立ち上げました。
(略)
 このサイトが音源を紹介する唯一の条件は「YouTubeでほとんど紹介されていない」ということなので、フランスでもまったく知られていないミュージシャンがほとんどですが、商業ベースに乗らない良質なフランスのインディーポップをたっぷり聴くことができます。
フランスの「アンダーグラウンド」ポップスのショーケース、ラ・スーテレーヌ(La Souterraine) - ふつごぽんTMBL

 自分も丸一日かけてDLした結果、アーティスト/アルバム単位で幾つか「凄く良いな!」と思った音源を以下に挙げてみます。

Baron Rétif & Concepcion Perez「disque d'or」
 「J Dilla的なビートを生演奏・上ものはジャジーだったりインストファンクっぽかったり」という、正に「今、ONな感じ」の人たち。ラッパーをフィーチャーした曲もあり。
2024「Mostla tape」
 ドラムが非常に気持ち良いロックバンド。音像が良い感じにスカスカでギターとベースもオールディーズっぽい音色だけど、オルガンなど鍵盤系の音も随所に盛り込まれていて緻密な印象。
Les Passagers「Mostla Tape」
 女性Voのグループ(?)。全体的にレイドバックしてる印象がありつつビートが立った曲も凄く良い。M7「Acheter ta peau」でヤられました。

 とりあえず3アーティストを。
 で、折角かなりの数の音源をDLさせて貰ったので、自分でも「お薦めmix」を作ってみました。この「ラ・スーテレーヌ」からは音源をリリースしていないものの、コンピのみに参加しているアーティストも何組かおり、そういう人たちの音源も混ぜてあります(ステレオラブ、レティシアのソロ曲も入れました)。
Guide to Mostla (soundcloud)
DLコチラからどうぞ

 そもそもこのラ・スーテレーヌというレーベルが話題になったのは、フランスの総合文化雑誌テレラマでニコラ・ポーガムのミックステープが紹介されたのがきっかけでした(テレラマの年間ベストアルバムの一枚にも選ばれています)。ニコラ・ポーガムは1970年生まれで、90年代に組んでいたダ・カーポというグループのCDは日本で出たこともあります。キャリアが長いとはいってもまったく無名だったのですが、去年テレラマで取り上げられたことで注目され、フィジカルのソロCDを出すことができました。
(略)
 〜ヒップホップ界隈ではこのようなミックステープは既に普通のものですが、インディーポップではまだ珍しい試みだと言えるでしょう。このような試みが将来どのような実を結ぶのかはまだわかりませんが、注目をつづけていきたいと思います。
 ともかくフランス語で歌われる最新ポップスが無料でダウンロードして聞けるなんて、これほどうれしいことはありません。「アンダーグラウンド」とはいっても、どろどろしていたりとっつきにくかったりするものではありません。それでも特に売れるための配慮をした音づくりをしていないので、「アンダーグラウンド」ならではの自由な気風を感じとることができると言えるでしょう。現在の商業的なヴァリエテ・フランセーズに不満があるひとの中には、むしろ「こういうフレンチポップスが聞きたかった」と思うひとも多いのではないでしょうか。
同・ふつごぽんTMBL

 ↑常々思っていたことを簡潔にまとめて下さっています。インディーロック界、ジャズ界なんかでも、こういう波が幾つか立てばシーンの活性化にも繋がるような気がします。