乾ききった〜・女の・股ぐらの・よう・だぁ〜・かぁらっ
今年の上半期、現時点で一番良く聴いているのは「ZAZEN BOYS」のデビューアルバムである。
もともとナンバーガールの熱烈なファンではなかったが、最後のアルバム「ナム・へヴィメタリック」だけは一聴し「!!!??」と体が硬直した。
ナニ!?このドラムの音!?と。リズムが本当にハーコーなアルバムだった。この次にどんな音が…、と本当に楽しみでワクワクしていた。
だが、しかし、その後バンドは惜しまれながらも解散。
そして、向井秀徳とアヒトイナザワが「ZAZEN BOYS」として戻ってきた。邦楽でこれほど音源の到着が待ち遠しかった人たちは本当に久し振りだった。で、その「ZAZEN BOYS」の音。これが予想できた部分と、予想を良い意味で裏切ってくれた部分があった。
予想できそうで出来なかったのは向井の「唄」である。唄というかポエトリーというか、簡単に言ってしまえば「ラップ」なのである。
日本語のヒップホップを聴く時に、日本人だからこそ感じるある種の隠しようが無い「小ッ恥ずかしさ」。向井秀徳は「訛り」という効果を上手く使い、そのある種の「小ッ恥ずかしさ」を払拭して見せた。アルバム中、一番メッセージ色の強い「自問自答」という曲はこんな曲だ。
胸にイチモツおありのご様子、でオレ(向井)は街をフラフラと彷徨い、昼下がりの喫茶店に入り、ある親と子のテーブルにて、
そのガキがあまりに美味そうに食事する様を見て衝撃を受ける。そしてそれを彼はこう歌う。
若い父親と小さい娘が、なんっっっっか美味そうなモンにかじりついてた
笑っていた ガキが笑っていた な〜〜〜んも知らずににただガキが笑っていた
と福岡訛りっぽい(?)フロウを繰り出してみせる。
これって元祖オールドスクーラー「吉 幾造」センセイが生み出した手法を正しく踏襲してるじゃありませんか。あるいはR&B好きの向井からすればネリーとか意識してるのかも知れません。もうすっかり悪い意味で浸透した感のある「ロック・ミーツ・ヒップホップ」をちょっとした一ひねりで新鮮に響かせてみせた。やっぱキチンと考えて音楽やってる人は違うなぁ、と思ったわけです。
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↑日記がかなりオモシロなので是非どうぞ。
向井はアヒトイナザワのプレイを「ボンゾに近い」と言っていますが、私的にはビル・ブラッドフォードに近いのではないか?と、最近キング・クリムゾンの「RED」というアルバムを聴いていて思いました。そしてZAZEN BOYSの音は「赤・青・黄」の後期クリムゾンの音にも近いと思うのです。「スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペア」とか「サトリ・イン・タンジール」とか「エレファント・トーク」とかの。
今日の日記は友人の「訛り」に関する日記を読んだので、それにインスパイアされまして、ハイ。