チャンベール世代の底力:ホアキン・フェニックス「アンダーカヴァー」

アンダーカヴァーを観ました(109シネマズMM)。

真魚さんのこのレビューを読んでからずっと観たいと思っていた本作、何とか上映最終週の金曜のレイトで観ることができました。
さて、感想は真魚さんがもう言い切っているというか自分で付け足す事もそんなにないのですが、素晴らしい作品だったと思います。本当に地味で、これといって新しい点もなく、凡庸とも言えてしまう刑事ドラマなのですが、色々とグッとくる作品でした。
良く出来た警官の兄:マーク・ウォルバーグ、いい歳をしてヤクザな身(一応、クラヴ経営的な仕事に足を突っ込んでいる)の弟:ホアキン・フェニックス、そして今だ現役警官の父:ロバート・デュバルという、強面ばかりの重厚な配役で、兄と父の狭間で身動きが取れなくなってしまうのが弟:ホアキン。終盤、仕方がなく囮捜査に協力して、後には警官になってまでロシアンモブに立ち向かう(ざるを得ない、ブッ殺されるから)ホアキンが、心ここに在らずといった面持で宣誓するシーンが物凄かったです。
終盤、豪雨の中でのカーチェイスシーンがあるのですが、これがヴィジュアル的にもサウンド的にもモヤモヤモヤモヤしていて(バンバン銃撃されてるけどよく見えない!みたいな不安感をこれでもかと煽る)凄くよかった。後で調べたら雨は何とCGによる合成だそうで、「どうりで変な気持ち悪さなわけだ」と妙に納得してしまいました。

  • We Own The Night Trailer


終始、男たちが寒そうな顔で鬱々としている映画だから、ホアキンの彼女役のエヴァ・メンデスみたいなラテン系の人がいると、もうなんかそれだけで和みました。ホアキンもエヴァ・メンデスも自分と同じ74年生まれで、“同い年”というだけで応援したくなります。
他に74年生まれはというと、クリスチャン・ベール、ペネロペ・クルス、スティーヴォ(ジャッカス)、イグジビット、カーディガンズのニーナ、ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー、ジョヴァンニ・リビジ、ディカプリオ、ディアンジェロ、ナスターシャ・ヘンストリッジetc…といった所。
相変わらず世知辛い世の中ですが、ロスジェネ世代改め「チャンベール世代」頑張ろう!(アメリカにも就職氷河期とかあったのかしら…)