アイ・ウィル・マサカー・ユー!! 〜トロピック・サンダー〜

トロピック・サンダー/史上最低の作戦を観ました(@新宿ピカデリー)。

「サボテン・ブラザーズ」や「ギャラクシー・クエスト」が何故感動的なのか?それは「偽者でも本物を覆すほどの力を発揮できる瞬間がある(かも)」というテーマを、キチンとクライマックスに持ってきて、それで綺麗に落としてくれたから。「トロピック・サンダー」に足りなかった点といえば、観てる側を「イェア!」とガッツポーズにさせるようなサムシングではなかったか?という気がします。別にあの人たちを掃討しろとは言わないけど、ただ逃げ帰る以上の何かを、個人的には見せて欲しかった(そういう点で、監督を早々にブッ殺してしまうのもちょっと勿体無い)。
作品のメタハリウッド的構造は、非常に手の込んだ作りで大いに楽しめました。その世界を牛耳る大物プロデューサーを演じる“あの人”のノリノリっぷりも、作品全体が霞んでしまう程に輝いていました。
今回一番美味しかったのは間違いなくロバート・ダウニー・Jrで、一番損な役回りだったのはジャック・ブラックでしょう。
落ち目のアクションスター(ベン・スティラー)、演技派オージーアクター(RDJ)、HIPHOP界の瞬間風速的売れっ子(ブランドン・T・ジャクソン)、ときて、オナラがオハコの破天荒コメディ俳優という設定のJB。これがなんというか、JBの役だけ物凄く見切り発車感というか取って付けた感アリアリで、JB本来のチャームさがゼロに等しく、何か可哀想になってしまった(ベルーシをベースにしたのかどうかは知らないけど、最後は絶対に“アレ”をたらふく食って大暴れするべきだったと思う)。改めて、ベンちゃんとJBの相性の悪さを実感してしまいました。
と、色々ブーブー言いましたが、重要な子役:ブランドン・スー・フー君(13歳)がほぼ100点に近いお芝居をしていたり、

近年の同系等コメディでいうと「俺たちフィギュアスケーター>トロピック・サンダー>俺たちダンクシューター」ぐらいの佳作だと思いますので(個人的にちょっと期待値が高すぎた)、この辺が好きな方なら絶対楽しめると思います。是非劇場でどうぞ。