温もりが、欲しいだけ。 〜大日本人〜
- 「大日本人」に変身する過程。焦らして焦らしてやっと出動。一度目は全部写さず、二度目でその全貌が明らかになる、という割りにウェルメイドな手法を駆使していた(あのパンツ!)。
- 登場する普通の人々のヤバさ。以前、横浜と桜木町で(偶然に二度も!)「ガキの使い」のキスおばちゃんに遭遇したことがあるのですが、学生達に取り囲まれ「あのね、こないだは(ガキの)忘年会に行ってきたの!」と嬉しそうに話す、ちょっとこっちが拍子抜けするぐらい普通のオバハンだった。
- セットの作りこみ具合。大佐藤家の雰囲気。変電所の雰囲気(第二も三河も)。
- 大佐藤の別居中の嫁を演じる街田しおん、テレビ番組プロデューサー役のUA。
松本の好みなんだろうけど改めて「好きモンだなぁ」と思った。
残念だった点
- 最後のアレ。
一度「映画は撮らない」宣言をしてしまった以上、ただの映画は撮れないという過剰な自意識があったのかもしれませんが、イエスマンばかりに囲まれていると(想像の域を出ませんが)、誰もダメ出しすら出来なくなってしまうのか?
“望まれないヒーロー”である大佐藤が、雨振る路頭に消え行く哀愁との相性もバッチリだった“あの曲”が流れる中でのクライマックスに異様に興奮してしまったので、本当にもったいない気がしました。ただ、回りで聞くほど酷くはなかったし、こんな映画を撮れる人もそういないと思うので、松本氏のブレーンの皆さん、是非、彼に「もう一本ぐらい撮ってみてはどうか?」と薦めて頂きたいと思います。