「コールドマウンテン」を観ました。


まずねえ、これ「特番ドラマ」なんですよ。年末とかお正月とか、夏休みとか番組改変時期にテレビ局がぶつけてくる、ちょっと金かけて作ったヤツ。お話はこれまた「戦争×引き裂かれた恋人達=メロドラマ」っすよ。メロ!メローイエロー!(c ドノヴァン)でもって、脇役の人達が異様に濃い。ザッとあげると・・・
フィリップ・シーモア・ホフマン(最高!)、ナタリー・ポートマンドナルド・サザーランド、ジョバンニ・リビージ、ジェナ・マローン(「ドニーダーコ」の彼女役)、レイ・ウィンストン(「ニル・バイ・マウス」DVパパ)、イーサン・サプリー(ケヴィン・スミス組常連のデブ)、ジャック・ホワイト(ホワイト・ストライプス!)
などなど。こういった人たちが、ちょこちょこ出てきては、そのシーンをかっさらっていく辺りも特番ドラマっぽい。
でも上記の通り、メインはジュード・ロウニコール・キッドマンの「引き裂かれた恋人モノ」で、南北戦争下のピーターズバーグから戦線離脱・脱走し、ニコールの待つコールドマウンテンまで歩いて帰る中で様々な人々と出会いながら、憂いのある「ジュード様☆」ってなつぶらな瞳で戦争の虚無を虚ろに見つめ、ニコールはジュード様を待つ間、義勇軍がやりたい放題の戦時下をレニー・ゼルウィガーの助けを借りてタフに生き抜いていく、という。
そこには手紙という形で「歯の浮くようなセリフ大会」を開催することも忘れません。そんなガチなメロドラマを、ガブリエル・ヤールの繊細なスコアと、ジョン・シールの重厚な撮影がキチンとサポート。
レニー・ゼルウィガーは「顔で毒づいて心で泣いて」という擦れっ枯らし女を好演していて「イイ役でオスカー獲れて良かったね」という感じ。義勇軍の若者を演じるチャーリー・ハナムという俳優の狂犬っぷりが非常に気になりました。今後要チェックかも。
柳下毅一郎氏が自身の日記で「金をかけ、それなりのスタッフを揃えたオスカー狙い見え見えの、クリシェの塊みたいな映画」と言ってましたが、そんなに酷い映画だとは思いませんでした。ベタな映画好きな人には是非オススメしたい映画です。