母さんダンケシェン。

Dirk_Diggler2004-03-29

グッバイ、レーニン!」を観ました。


まずオープニングが凄くカッコ良くて、でもよく考えればこの学校を生んだ国、って考えればそれは至極真っ当なんですが(そーいやエロ本の出版社でもバウハウスってあったよな、と)。
「心臓発作で倒れて昏睡状態にあった母さんはドイツ統一を知らない・知らせてはならない・何故なら母さんはガチの社会主義者だしドイツ統一にショックを受けるに違いないしショックは心臓発作の再発の原因になり兼ねないから・だから僕らは統一前の東ドイツを演じる母さんにショックを与えないために」 (舞城王太郎っぽく)
というシチュエイションコメディとしても出色の作品だと思います。映画として「何とも言い難い感情を切り取ってみせる」という手法は非常に高度だと思っています。
例を挙げるなら、
マグノリア」で、「お前が憎い!でも死なないでくれ!」と言った後に突然「アレ」が降って来て、何ともいえない表情でお互いの顔を見合わせる父と子、とか
「べティ・サイズモア」で、昼メロを現実だと思い込んでいる主人公が、突然そのドラマ収録現場に主役として投入された時に見せる戸惑いの表情、だとか
この「グッバイ、レーニン!」で言えば、予告編でも流れてる、ヘリに釣られ運ばれるレーニン像と対面するシーンなんかは、かなりの名シーンという気がします。
キューブリックマニアの友人が「オレの傑作だ!」と自作ビデオを見せるシーンは、「ブギーナイツ」でのジャック・ホーナー監督の「私の最高傑作だ・・・」というシーンとダブりました。
「ベタな映画好き☆」という人にはオススメっす。