不完全なる飼育 〜ブラック・スネーク・モーン〜

ブラック・スネーク・モーン」を観ました(@シネ・アミューズ)。

アメリカ南部の片田舎。妻を弟に寝取られ、失意の日々を送る初老の元ブルーズマン(サミュエル・L・ジャクソン)。彼はある日、家の近所で半裸の若い女性(クリスティーナ・リッチ)が倒れているのを発見し、家に連れ帰る。介抱する内に、彼女がセックス依存症で、街で噂になるぐらいの荒れた生活をおくっていることが判明する。敬虔なクリスチャンである彼は、また彼女が自堕落な生活に舞い戻る事を良しとせず、独自のやり方で彼女を治療しようと決意する。そしてある朝、彼女が目を覚ますと、彼女の腰には太くて長いチェーンが結ばれていた・・・というお話。
昨年の思わぬ拾い物「ハッスル&フロウ(感想)」の監督:クレイグ・ブリュワーの第二作。しかし残念な事に、個人的にはちょっとノレない作品でした。「不貞・姦淫・堕胎いくない!」っていうような、ある意味、非常にキリスト教的なメッセージを感じ取ってしまって、純粋に楽しめませんでした。同行者には「考えすぎ」と一蹴されてしまったんですが、もし監督が意図としてそういう思想を刷り込んでいるんなら結構アレだし、無意識的にそういう方面に擦り寄っていったと考えてもそれはそれで問題だと思うし。最終的に、映画に登場するような欠点を抱えながらも底辺に生きる弱者たちを否定はしていないのですが、こういう題材を扱うのであればもっと面白くなったハズだよなぁ、と、ちょっと惜しい気がしました。

画像はクリスティーナ・リッチと、その恋人役で映画初出演のジャスティン・ティンバーレイク。彼をはじめ、主要な役者はみな好演を見せてくれます。一時期のシャーリーズ・セロンばりに脱ぎ惜しみしないクリスティーナ・リッチもさすが、という感じです。