DIE FOR HEALTH! 〜サンキュー・スモーキング〜
「サンキュー・スモーキング」を観ました(@TOHOシネマズ川崎)。
「タバコ研究所」お抱えのロビイストが、タバコのパッケージに髑髏マークを記すのを義務付けようとする議員に、真っ向から勝負を挑む。嫌煙真っ盛りのアメリカで、それは一見、まるで勝ち目のない無駄な戦いのように思えたのだが・・・というお話。
よく「血液型は単なる分類にしか過ぎず、血液型別の性格など当てにならない」という意見をよく耳にしたりしますが、B型の人っていうのは、とにかくガッチガチのルールや決まり事が大嫌いで、ましてや自分が思いも寄らぬところで納得が行かない規制をされるなんてもってのほか。そんな傾向が強く見受けられる気がします(私もB型です)。
二年前の「CD輸入権が施行される」という騒動も、私的には本当に腹が立ったし、そんな自らのB型気質に突き動かされるように、CD輸入権反対の署名を集めるボランティア活動までしました。何より腹立たしかったのは「普段、別に洋楽CD/アナログなんて聴きもしないようなオッサン共に、こんな法律を押し付けられようとしている」ということで、その“対象に対する偏見/無関心”には、「こうも人間は不遜な態度を取れるか」と感心したものですが、本作「サンキュー・スモーキング」にもそうした「愚の構図」が垣間見えるような気がします。
ヒステリックになっていけばいくほど「そんなことをして、一体誰が得をするのか?誰が損をするのか?それは公平なのか?それとも不公平なのか?」という、物事の核心を見失っていくばかりです。侍功夫さんがこのエントリで仰っている通り、「サンキュー・スモーキング」はそうした公平な自由への戦いを、「才気溢れる若者の活躍→ライバル出現→対決→敗退→挫折→挫折を経て完全復活」という、ジャッキー・チェン・メソッドを駆使して描いています。
タバコが体に悪い、ということは、充分すぎるぐらい理解していながらも、「I'm so good at it.」なので、タバコのロビー活動を止められない、という主人公。その様はさながら「ロード・オブ・ウォー」のニコラス・ケイジにピタリと重なります。こうした、複雑な心情を内包する主人公が活躍する映画を撮れるアメリカ映画界には、良くも悪くも層の厚さを実感させられるし、諸手を挙げて支持とは行かないまでも、「サンキュー・スモーキング」には物語の新たな可能性を感じ取る事が出来るような気がします。
- 作者: クリストファー・バックリー,青木純子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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上記は原作本。ちなみに私は煙草を吸いません。