オレのターバン返せ! 〜インサイド・マン〜


インサイド・マンを観ました(@109シネマズMM)


スパイク・リーの近作って、「映画監督として第一線で活躍する“アフリカン・アメリカン”なオレ」という気負いが過ぎてちょっと食傷気味だった一時期の作品と比べると、良い具合に力が抜け、良質な娯楽作に「アメリカで生きるマイノリティーの主張」みたいなモノを巧妙に刷り込む映画作りをするようになったと思いますが、今作でも「強奪/立て篭もりモノ」といったジャンル映画の形を借りながら色々な主張が垣間見えて面白かったです
今回は「怪しいヤツは皆犯人」的な、9.11以降のテロ・アレルギーが要所要所に見受けられたのが印象的でした。しかし、こうした今日的なテーマをさり気無く配置しながら、後半に明らかになる“ある人物の許されざる悪行”が、あまりの(ある種の)王道っぷりで少々拍子抜けしてしまいました。ココがもっと捻ったオチなら、なお良かった気もするのですが…。
とは言え、役者さんたちは非常に良かったです。フードにマスクにサングラス、したがって“声”による演技を全編に渡って要求される犯人役のクライヴ・オーウェンが、これがまさに適役といえる非常にセクシーなロートーン・ヴォイスで応じていて、男ながらにちょっと「ジュン…」となりそうでした。ジョディ・フォスターもしかり、「あなたの給料じゃ私は雇えないわよ」とか言ったりする強気で嫌味な弁護士を好演しています。デンゼル・ワシントンは相変わらずの安定感なのですが、イマイチ面白味には欠けます(犯人達に激怒するシーンが、その撮り方もあいまってちょっと面白い、というかスゲー変)。いっそのこと、デンジーの相棒役だったキウェテル・イジョフォー(「フォー・ブラザーズ」でマフィアのボスやってた人)に主役を預けてしまった方が良かったような気もします。
ポスターのデザインがカッコ良かったので貼り付けておきます。

あ、あと↓以下のアルバムを事前に聴いていると、物凄く笑えるシーンがあります。

Late Registration

Late Registration