ケリー・ザ・ギャング

ヒース・レジャーがまだ生きている頃に買っておいて積鑑(積む+鑑賞、積読的な意味合いで)状態になっていたDVDを引っ張り出してきて追悼企画的に鑑賞。タイトルからして言わずもがな、オーストラリアに実在した若き義賊:ネッド・ケリーの物語です。
それなりにお金がかかっていて、共演者もオーランド・ブルーム、ナオミ・ワッツ、ジェフリー・ラッシュ、とそれなりの面子が揃っているにも関わらず、なんでしょう、このこじんまりした感じは…。まるでテレビ映画のようです。
自分としては、スコティッシュであるネッド・ケリー(や、その家族)が、イギリス人からネチネチネチネチネチネチネチネチ…(「じゃあコレは?(右手をシュっと伸ばし高々と掲げる)」「ナチ」「えー残念!選手宣誓でしたー」)と、いわれ無きイジメを受ける描写が延々続いて「ゥがーーー!もう許せん!!!」とブチ切れるヒース・レジャーが見たかった。史実モノって、本当に微妙なサジ加減ひとつで、傑作になったり凡庸になったりするんだなぁと思いました。
それを考えると、一方アメリカの伝説的義賊を描いた「ジェシー・ジェームズの暗殺」などは、「当時のキャラクター達に現代人的な内省性を描く」という非常にクレバーな手法を用いていたなぁ、と思いました。
なお、ネッド・ケリーの場合は、彼の処刑当日の夜に、家族による(!)「ネッド・ケリーの生涯」みたいな演劇が上演されたそうです(・・・)。
ミック・ジャガーがネッド・ケリーを演じる「太陽の果てに青春を」は、レコ屋で散々サントラのジャケットは目にしたけど、まだビデオにしかなってないんですね(監督はトニー・リチャードソン)。