夏休み課題的!この夏によく聴いた新譜旧譜10枚の感想。

もう8月も今日で終わり!明日からは9月です!当方、夏休みの宿題は決まって休みが終わる直前、ギリギリになってから着手するのがお約束でしたが、id:clicheさんの「2008年の内に新譜を100枚聴き倒す!」という良企画『新譜100枚聴き倒れ』に敬意を表しまして、8月最終日の今日は、この夏に聴いて印象的だったアルバム10枚の感想を述べたいと思います。


Shine

Shine

ジョン・レジェンドが立ち上げたレーベルの秘蔵ッ子。ジョンレジェ、カニエ、シーロー先生という鉄壁の布陣を配しながらも大した話題になっていないのはちょっと勿体無い。泥臭くなり過ぎないラガ感覚ってのはリリー・アレンなんかを聴くような人にもアピールできると思うんだけど。これであとは本人のキャラみたいなモノが確立されたらちょっと大化けするかも。


DONKEY (IMPORT)

DONKEY (IMPORT)

なんでこのバンドはラヴフォックス嬢のヴィジュアルをジャケに使わないのかが本当に謎(それアートなの?)。1stに比べて大化けしたはしたんだけど、自分が望んでいたような感じではなかったかナァ…というのが正直な所。なんかテレヴィジョンみたいじゃないですか?!いや、別に悪くないんだけど…でも…1stの頃にはあった胡散臭さとかへタレっぽさとか、そういうのが失われてちょっとガッカリ。


Modern Guilt

Modern Guilt

まるでDJシャドウのような、結構綿密なネタ構築で攻めてきたな!と思ったらトラックはデンジャーマウスの手によるものだそうで。多分、ロック優等生のベックちゃんは、グッドオールドデイズなソウルマナー溢れるナールズバークレーを聴いて「あ、自分もこういうのやりたい!ロックネタで」と思ったのではないだろうか。引き出しが沢山ある人がそのアイデアを具現化出来る人に出会えた静かな淡い喜び、それがこのアルバムを支配しています。絶対零度のサイケデリア。賛否両論あるみたいだけど、自分は結構好き。


Santigold

Santigold

そのルックスやファッション、トラックを手掛けているのがディプロだったり、もうMIAタンと比較されるのは仕方がないから諦めろ!グダグダ言うな!と、高校を卒業したのに部活にやってくるOB面して説教したくなる感じ。でもMIAタンにはカケラも無くてサントゴールドさんにはあるもの、それはロック/NWっぽさ。つまりは音楽的に言ったら日本で売れるのはサントさんだろうけどルックス的にはMIAタンの方が日本人好みっぽい。


MP3

MP3

フランスのジャスティン・ティンバーレイクと言われているM.ポコラさんは、なんとプロデュースまでティンバに頼んじゃった。そしたらこれがジャンティンの出涸らしというか「LoveSounds/FutureSex」の、もしくはティンバのリーダー作の、あるいはマドンナのアルバムのアウトテイク集?と勘繰りたくなるような既聴感。でもそれなりに聴かせてしまうところがティンバの凄い所(リアーナみたいな人とのデュエットまであり)。そろそろアルバムが発売されるであろうライアン・レズリーの手掛けた数曲が鈍く光る。


サブウェイ・サイレンス

サブウェイ・サイレンス

ベニー・シングスの「ベニー...アット・ホーム」収録の名曲「ブラックベリー・ストリート」でデュエットしていた女性Voのデビュー作(超美人!)。これはイイ!聴きながら思わず小躍りしたくなる12曲。ベニー関連作を追ってる人にはマスト、ちょっと気になってるような人はコチラでも見ていただければ。


ヌード・ウィズ・ブーツ

ヌード・ウィズ・ブーツ

チワワジャケが非常にカワイらしいメルヴィンズの新作。元KARPのドラムの人を迎えてのツインドラム編成で、左右のチャンネルから別々のドラムが聴こえます。1曲目からもろにZEP!!!2曲目はストーン・テンプル・パイロッツの「PLUSH」と同じようなリフでビックリ。どちらかと言うとライヴ映えしそうな、爆音で聴きたい一枚です。


FOETUNES

FOETUNES

ツタヤのワゴンセールで500円でした。エルマロ會田茂一氏のソロプロジェクト。打ち込みの意識がある人が、グランジ以降(90年代以降の)のロックをやろうとするとこういう風になるようなぁ、という好例。暑苦しさを冷静にパッケージした、非常にクレバーな音作りをしていると思います。強いて言えば會田氏のVoにもう少し面白みがあれば(あ、いや、味があって良いとは思うんですけど…!)申し分ないな、と思いました。だからという訳じゃないけど、インスト曲がエラいカッコ良い。


Partie Traumatic

Partie Traumatic

ブロックパーティーにしろケンナにしろ、いわゆる非白人がロックもしくはNW的な音を鳴らすのが別段珍しくもなくなってきた昨今ですが、このブラックキッズも黒人男子がロバスミ似のVoで歌い、バックも性別/人種はパートそれぞれ異なる。肌の色でカテゴライズされてしまっていたリヴィング・カラーとかフィッシュボーンが、もし00年代にデビューしていたら、状況は全然違ってたんだろうナァ、と想いを馳せたくなる一枚。ディスコっぽいNWを、バーナード・バトラーがポップに手堅くまとめています。


ドラム叩いて間もなく半世紀の「古澤良治郎」と、歌を超えた歌唄い「三上寛」(スイマセン、ディスクユニオンの評からの引用です)。ギターとドラム、ヴォーカルのみのミニマルな音作り(しかもレコーディングはマルチトラックテープを回しての一発録り!)。フリージャズ、ポエトリー、ロック、パンク、ブルーズ、演歌etcが、盤面で格闘を繰り広げるような濃厚な一枚。ジョン・フルシャンテのドープなソロ作を愛聴しているような人はきっとハマると思います。海外のフェスとかに出たら絶対にうけると思うんだけどナァ。