幸せの黄色いVW 〜リトル・ミス・サンシャイン〜

リトル・ミス・サンシャイン」を観ました(@チネチッタ)。


末娘がチビッ子ミスコンに出場する事になり、アリゾナからカリフォルニアまで、オンボロヴァンに乗り家族6人総出の旅に出るはめになるが…というお話



各自別々の方向を見据えていた家族が「ミスコン出場のために」と一致団結していく、というのがバックボーン。基本的にロードムービーなのですが、ロードムービーの醍醐味といえる「旅で出会った他者との触れ合いによる個人の内面の変革」が無く、全て家族内でまとまってしまっているのが少々惜しい所ではあると思いますが、ボロVWヴァンに家族をキュウキュウに押し込むことによりカオスを生み出しテンションを構築していく様は、中々巧妙だった気がします。
感心したのはチビッ子ミスコンの描写で、大人が無理矢理にあてがった“セクシー”を子供が無自覚に表現するのは良しとしても、子供が自発的に“セクシー”を表現すると「んまぁ!けがらわしい!」と青筋を立て猛反発をする、という点。このシーンに流れるのが“あの人”によるキラーディスコチューンの“あの曲”だったので、出頭のイントロで思わず吹いてしまいました。
監督はジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリスという夫妻のコンビ。一本目でこれだけのクオリティなら、次回作ではもっと良くなる気がします。母役のトニ・コレットや、そのゲイの兄役のスティーヴ・カレル(「40歳の童貞男)などが好演。父役のグレッグ・キニアや、お爺ちゃん役のアラン・アーキンは物凄い安定感。喋らない長男役ポール・ダノは、ポール・トーマス・アンダーソンの新作などに出演している今後の注目株だそうです