ライセンス・トゥ・撮る 〜「ビースティ・ボーイズ 撮られっぱなし天国」〜

「ビースティ・ボーイズ 撮られっぱなし天国」を観ました(@シネマライズ)。
観客から希望者を募って50名を選出、「何をしても良いが片時もカメラを停止するな、録画状態にしておけ」とだけ支持を与え、好きなように撮影させる。その映像が主体となって構成されているライヴ・ドキュメント映画です。
そのコンセプトは「臨場感」という意味では非常にありだと思うのですが、気になったのはやはり映像のクオリティ。正直、最初の2曲ぐらいは「うわっ、こんなガチャガチャした感じで90分も続けられたらちょっとツライなぁ・・・」と感じたのですが、3曲目(ルートダウン!出だしでアドロックがとちる!)以降は正式な撮影スタッフによるクリアな映像もミックスされ、ちょうど良いバランスを保っていたと思います。
ライブ自体は、05年1月の日本武道館公演と同じ、ヒップホップセット→バンド演奏→またヒップホップセット、という具合で、昨年の興奮が甦ってくるようでしたその時の模様)。
で、映画はMCAのオルターイゴである「ナサニエル・ホーンブロウワー」が監督を務めているのですが、本人も「ホーンブロウワーも言ってたんだけど…」とわざわざ伝聞口調で語っている所によると、編集作業は死ぬほど大変だったとかで、およそ丸一年を編集に費やしたようです。
一つ感じたのは、モノクロ、モノクロ浮き出し、もっとザラついた感じ、ネガポジ変換etc・・・と、様々な手法でライヴ映像を加工しているのですが、「作り手が意図するほどにはあんまり面白くないかも」ということ(マイクDが南国に行ったり、売店のおばさんがエアギターをしたり、マニー・マークがピョンピョン飛び跳ねるのをしつこく繰り返す、とか、そういうくだらないのは凄く良かったんですが)。でもまぁ、アドビプレミアとか、そうした映像加工ソフトを初めて手にした時の「こんなことが出来る!スゲエ!」という多幸感に満ちてはいるので、それはそれで良いのかなぁ、と思い直しました
が・・・!何だかんだと偉そうに批判めいたことを言っても、終盤の「インターギャラクティック」で観客席に乱入していくのは物凄く燃えるし、ラストの「サボタージュ」における、アドロックの「あ"あ"あ"ーーーーー!!!」を聴いた瞬間に何だか体の血の巡りが活発になった感じがしたし、「終わりよければ全て良し」じゃないですけど本当に観てよかった、長年ビースティのファンで良かった、と実感できました。オーバー40のボーイズ、ストレイト・アウタ・ブルックリンの3MCよ、永遠なれ。
追記:思い出したんですが只今絶賛活動停止中の(解散はしていないらしい)STONE TEMPLE PILOTSの「NO WAY OUT」のPVも、「撮られっぱなし天国」と同じ手法で撮影されたPVでした。PVの冒頭、実際にラジオ番組で流れたと思われる「ライヴフッテージ撮るから協力して!」みたいなアナウンスがあり、クレジットが「DIRECTORS:THE KROQ LISTENERS」となっています。
http://youtubech.com/test/read.cgi%3Fdl%3DtnW2iAzXPVc%26ext%3D.flv


あと忘れちゃいけない、これも↓(注!リージョンフリーではないようです)。

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