CUT CHEMIST,Wish You Were HERE.

JURASSIC 5の約4年ぶりになる3rdアルバム。今回は2人DJの片方のカット・ケミストが不参加、ヌーマーク1人で頑張っています。本当はアナログが出るまで律儀に座して待つつもりだったんだけど、レコファンで安かったのでCDで買ってしまいました。

Feedback (Clean)

Feedback (Clean)

結論から言って、デビュー時から彼らを追い続けている一ファンにとっては、カット・ケミストの不在は物凄く大きく感じられました。逆に、このアルバムからJ5を聴き始めた人にとっては「(一定の水準は優にクリアしている)普通にカッコ良いヒップホップのアルバム」と受け取れるでしょう
最初はシンセ主体のトラックでリレーしていくアキール、ザキール、チャーリー・ツナ、マーク7のラップに物凄い違和感を覚えたのですが、元来が4人のキレ者MC集団なので、それも聴いているうちにカッコ良く聴こえてきてしまう。というか聴かせてしまう。それで何だかモヤモヤしていると、ようやく前2作と似たテイストの「RED HOT」が。でもその頃にはもうアルバムも終盤で…という構成で、正直一巡目こそ戸惑いました。ですが、何度か聴いているうちにカーティス・メイフィールドをチョップした「GOTTA UNDERSTAND」、デイヴ・マシューズ・バンドを従え(前作のfeat.ネリー・ファタードを思わせる)「WORK IT OUT」の楽しさなどが目に(耳に)付く様になり、結果的にはトータルで繰り返しの鑑賞に堪えうるアルバムになっているとは思います
・・・が!
やっぱり前作の「THE DAY AT RACES」の様な、楽しくて気分も高揚するようなサンプリングのトラックの上に4人のスキルフルなフロウが乗る、というような“鳶がネギと油揚げをわざわざマルエツで買ってきてくれた”的な曲が圧倒的に少ないし、ケミストなら「シンセが歌メロをなぞる」みたいなモッサいトラックには頑として首を縦には振らなかっただろうし、個人的に納得行かない点は多いです。だからカット・ケミストさん、ソロとかで忙しいんだろうけど、あなたにココに居て欲しい。次は戻ってきてね
色々ディスってるみたいですが、私はJ5のTシャツを嬉々として着るぐらいにはファンだし大好きなグループだし、今回の「FEEDBACK」も、ヒップホップのアルバムとして非常にクオリティは高いし4人のラップも非常に聴き応えのあるモノだし、興味を持たれた方は是非お買い上げになると良いと思います(あ、でもその際は1st、2ndと遡ることもお忘れなく!)。

Jurassic 5

Jurassic 5

Quality Control

Quality Control

Power in Numbers

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あと、ナンシー小関問題が遂に海外まで波及か?!