だからもっと、2時間ドラマを! 〜嫌われ松子の一生〜


嫌われ松子の一生を観ました(109シネマズMM)


まず最初にハッキリさせておかなければいけないのが、私から電話などしていないし、だいたい電話をしてきたのは氏の方だし、「ねーねー!『嫌われ松子』観た?観た?何か薄っぺらいじゃんかねー!?ねーーー!」などと同意をお求めたきたのも氏が最初です。

http://d.hatena.ne.jp/throwS/20060531#p2

それが↑こんな軽やかな脳内変換/Remixが施されて、いとも簡単にブログにUPされてしまうって、いや〜インターネットってのは本当に恐ろしい所だと改めて思いましたよ!ゲーム脳!環境ホルモン!コーラを飲むと骨が溶けるよ!
実は自分も、いくらなんでも「薄っぺらい」とまでは思いませんでしたが、正直「ちょっと凡庸かな?」と思いつつも、伊勢谷友介が出てくる辺りから奇跡的な回復を見せ、そして最後は「得体の知れない人にも一寸の寛容さを」といったある種のテーマを提示して幕を閉じていたので、ああコレはコレでありなのかもなぁ、という印象を受けました。作品としての純粋な楽しさで言ったら「下妻物語」の方が上のような気もします。
で、世間の評判は割りと上々のようですし、モヤモヤしていたのですが、そこで粉川哲夫氏の「嫌われ松子」評を読んで妙に合点がいきました。

〜以後、荒川沿いにある安アパートで「引きこもり」と「ホームレス」的(変な表現ですが)な生活を続け、最後は、河川敷で●●●する●●●●に撲殺される。すべてが、スポーツ紙や週刊誌のページに登場する「絵に描いたような」パターン的出来事の羅列なのだが、それが、コミックスをポップアートに機能転換してしまったリキテンシュタインの絵のように実に新鮮なのだ。

これってつまり、id:throwS氏が最初に指摘した・・・

 これは、案外薄っぺらい物語をいかにも、何か新しい物語かのように上手く観せてんなぁー!と感動したっす。監督はすごく能力のある人だと思う。

という点で大意では同じですよね。
つまり、リキテンシュタイン作品は知っていても、彼が元ネタにした50年代のコミックスなどを大半の人は知らないのと同じように、今、劇場に「嫌われ松子」を観に行くような若い世代は“絵に描いたようなパターン的出来事の羅列”たる2時間ドラマなどには興味がない、ということなのです(逆にthrowS氏は2時間ドラマが好き過ぎる)。だからきっと、2時間ドラマ覚者たるthrowS氏には「薄っぺらい」と感じられたし、2時間ドラマに免疫のない若いの人々には「嫌われ松子」の世界観がとても斬新に写る、という訳なのでしょうね。
で、最終的に何が言いたいか、っていうと「もっとテレビに2時間ドラマを!」っていうことなんです。ってid:throwS氏が言っていましたよ(ハイ、オシマイ!)。