成人映画にもかかわらず、99年に公開されるや記録的なヒットを記録した作品とのことですが、それは主演のチョン・ドヨンが大胆な濡れ場を演じていて話題になったことも要因としてあるようです。
簡単に言ってしまえばテーマは「不倫は良くないハムニダ!」。オープニングロールが終わった直後に長い絡みという正しく日活ロマンポルノ的な作品なのですが、作品の特徴として非常に興味深いのがそのキャラクター設定。リストラされた夫が家でボーっと連ドラを見たり・子供を託児所に迎えに行ったり・買い物した後にレシートをチェックしてみたり、その傍らで妻は英語塾を経営しバリバリ働きながら昔の恋人と情事を重ねる、という、いわゆる不倫物における男女の設定が完全に入れ替わっている所です。後半は「不倫に気付いた夫がどう行動するか?」が重要なポイントになってくるんですが、結局は「不倫はイカン!特に女の!!」という結論に終始してしまっている気がして、折角視点を入れ替えて見せたのにちょっと勿体無い気もしました。
だがしかし、良かった点もあり、巨大な団地を舞台にして漠然とした不安感を表す、といった描き方は中々上手いと思いました。


雑感 
最近、韓国映画を観る機会が多いのですが、観れば観るほど邦画とは20〜30年ぐらいのタイムラグがあるような気がします。これは褒め言葉で、当時の邦画にあったであろう「ある種の熱」を、最近の韓国映画からは顕著に感じます。