試写会当たる!「スクール・オブ・ロック」を観ました。
「ジャック・ブラックの一挙手一投足が面白い」という素晴らしい映画でした。
もう本当の大傑作に出会うと正直言葉を失います。試写会場もドッカンドッカンと盛り上がり、クライマックスのダイブ&クラウドサーフには拍手まで起こる盛り上がりっぷり。まず、「ハイテンションってのも一つのアートだなぁ」と思いました。
だって想像してみて下さい。「ハイ・フィデリティ」でJBが演じたレコード店員のテンションが1時間50分に渡り、オープニングからエンドロールにまで展開される様を。ちょっと革新的なアートな作品の香りがするでしょう?
タランティーノが「キルビルvol.1」の取材で「あのNEU!の曲は『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』で使われてたヤツですよね?」との質問を受けた際に開口一番「…ヴォン!ヴゥオン!!ヴゥゥおおん!!」と返してみせた、という話がありますが、映画にしろ音楽にしろ、そうした初期衝動を伝える術で一番的確なのが子供でも容易に出来る(いやむしろ子供の方が得意か)「口真似」なわけで、今回の「スクール・オブ・ロック」でも「ROCK初期衝動」という激情を、JBは口真似を交え、熱く・的確に我々に伝えてくれるのです。
「世界は『ザ・マン』によって支配されている!」というリチャード・リンクレーターの「ルーザー哲学」がJBを通して解りやすく語られのも良かったです。
で、校長先生役のジョーン・キューザックを見ていて「誰かに似てる・・・」と気になって仕様が無かったんですが、それは北陽の虻川さんでした。そう気付いてからは、もうジョーン・キューザックが出てくる度に「貧乏B様校長先生を演じる虻ちゃん」にしか見えなくなってしまいました(オーバーアクト気味な所も含め)。思えばつい先日も「シービスケット」で「クリス・クーパーが大滝秀次にしか見えない」現象に陥ってしまい、話の内容がドンドンすり抜けていった憶えがあります。
実は試写会に向かう前に「ロスト・イン・トランスレーション」を観て、非常に納得行かない気分で渋谷を後にしたのですが、もうそのモヤモヤが全て吹き飛びました。間違いなく今年のベスト3本には入る作品でしょう。
「ロスト〜」の納得行かなさ加減は気が向いたらまた書きます。
追記:公開前日の夕刊にはこんなverの広告が・・・
バックを黒板にして、寄せられたコメントをチョークで描いたっぽくしてあるだけなんですが、こういうシンプルな閃きこそ、デザイナーの人たちには大切にして頂きたいモノですねぇ。