邦盤は別の顔 〜ジャケ違い考察〜

昨年発表された傑作アルバム「ベニー...アット・ホーム」が、めでたく日本盤として発売する運びとなったベニー・シングスですが、その邦盤のジャケットを見て愕然としました。左がオリジナルの洋盤、右が邦盤です。なんでしょう、この今更の90年代テイストは。これは幾らなんでもあんまりなんではネエのか・・・(オリジナルに手を加える意味が全然わからん・・・)
 
邦盤が発売される際のジャケット変更って割りによくある話で、自分の記憶を辿ってみて気付いたのですが、そこにはある法則があることに気付きました。それは大まかに言うなら「日本市場ならではファンの開拓」と「邦盤独自のオリジナリティー」という、二つのカテゴリーに分けられると思います。
 
まずは「日本市場ならではファンの開拓」から。本国アメリカではガタイが良すぎるためにMTF説も囁かれた(参考シアラのジャケット。左が洋盤、右が邦盤です(以下同様に統一します)。洋盤だと、いかにもクラブ通いが日課のコアなR&B/ブラックミュージックリスナーにしかアピールしなさそうですが、邦盤のジャケットではどうでしょうか。フーディーでスポーティーな感じから一転、キャミにローライズのジーンズ、髪型なども含め、よりフェミニンな感じに。これなら「かわいい☆買ってみようかな」といった具合に、CanCamなどの読者にもアピールしそうな感じです。
 
 
「邦盤独自のオリジナリティー」で言うと、コートニー・ラヴのソロアルバムは、あの矢沢あい大先生、そしてダフトパンクは松本零士大先生、それぞれ描き下ろしのジャケットです。これはもうなんだか「○○先生の作品が読めるのは週間○○だけ!」的な煽りを感じてしまいますね。
 
「邦盤独自のオリジナリティー」としては「企画モノ」という側面も存在すると思います。その代表例で記憶に新しい所がオゾンのコレ。記憶に新しいと言いながらみんなもうすっかり忘れていそうなのでリンクを貼っておきます。



 
 
あと、予想外に売れたりするとボーナストラックやDVDなどをプラスして仕切りなおしで再発するケースもあります。邦盤ではありませんが、マルーン5のデビューアルバムのUK盤は、ヒットしたけど「もっとマスにアピールするために、このようわからんイラストをどうにかせい!(銭や銭や!)」とばかりに、メンバーのルックスの良さがよくわかるジャケットに差し替えられています。BEPの歌姫「猿でもヌケるイイ女」(ホントに酷いコピーだ)改めファーギーさんは、おそらくは前記のシアラと同じような理由からか、本人写真の雰囲気をガラっと変えての仕切りなおしリリース。レコード会社の中の人も色々と大変ですよね。


では最後に、おそらく「売る気ゼロだろ?」という理由で差し替えになったパンテラのジャケットを皆さんと鑑賞しながらお別れでアナル。ごきげんよう!