「ストーリーテラーズ」「秘すれば花」@森美術館

観て参りました。「秘すれば花 東アジアの現代美術」は、日本、韓国、中国、台湾で活躍する26名の作家の作品を「第一部 山水」「第二部 風水」に分けて紹介。『山水』を「ギャラリーの外の風景」、『風水』を「室内の風景」とし、それぞれ多様な手法で展開していました
http://www.mori.art.museum/contents/eleganceofsilence/index.html
韓国のハム・ジンという作家の「トイレに見立てた室内で、物凄っく小さいオブジェをループで眺める」という作品には結構な行列が出来ていました。作品は他にも色々と面白かったのですが「現代的なモチーフを古典的手法で(あるいはその逆)」という縛りは、かなり強固でキツいモノであろうし、作家は健闘していたとは思いますが、「脈々と歴史のあるモノに立ち向かい凌駕する」ってのは相当なバイタリティを必要とするんだなぁ、と思ったりしました(もちろんそんな必要など無いのかも知れませんが)
一方「ストーリーテラーズ アートが紡ぐ物語」は、神話や民話、ファンタジー、推理小説などなど、人間にとってもっとも原初的なエンターテイメントとして紡がれる「物語」をテーマにした世界各国の作家の作品を紹介。上記画像(拡大)で挙げたグレゴリー・クリュードソンの「TWILIGHT」シリーズは、ロックファンにはお馴染みのYO LA TENGOのアートワークに使用されている人ですね(下記参照)。ジャケットに使用されている作品は残念ながら展示されていなかったのですが、彼がモチーフにする「サヴァーヴィア恐い&オモロイ」という感覚は、ワタクシも常々リアルタイムで感じる所であり、非常に興味深く拝見しました。他にも、トレイラーハウスに女性が車で突っ込む様がループ&エンドレスで描かれるテリーザ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラーのビデオ作品や、南北戦争下の黒人奴隷をモチーフに巨大な切り絵を展開するキャラ・ウォーカーの作品などが面白かったです。で、このキャラ・ウォーカーの作品は展覧会のアイキャッチとなっているんですが・・・
http://www.mori.art.museum/contents/storytellers/index.html
このホノボノしたトーンは、全体のトーンとは大分ずれているような印象を受けました(よく見ると結構グロいんですが…)。わざと狙ってやっているんでしょうが、もうちょっと違う窓口を設置しても良かったのでは、と思いました。

And Then Nothing Turned Itself Inside-Out

And Then Nothing Turned Itself Inside-Out

「♪ポン・ポンポン・パァ〜〜〜ポンポン」という、ジェイムズの悩殺振り付けで有名なキラーチューン「you can't have it all」を収録。


Twilight: Photographs by Gregory Crewdson

Twilight: Photographs by Gregory Crewdson

ミュージアムショップでも販売していましたが、案の定アマゾンの方が安い。表紙の作品も展示してありました。