ジャケ買い百選 6

V.A. 『SELECTOR DUB NARCOTIC』




米インディロックの良心とも言えるKレーベルのコンピです。ジャケットを手がけているのタエ・ウォン・ユー氏もK.G.というバンド名義で参加しております。タエ氏仕事の他のジャケというとコレコレなどが有名ですが、一貫してパステルカラー使いの「文系女子殺し」のデザインが特徴で、やはりその需要からかインディロックのジャケットを数多く手がけております参考ページ)。私の中の「内なる乙女☆」も、レコ屋でこのジャケを見かけるなり見事に反応してしまい、購入するに至りました。
コンピの内容ですが、BECKが本格的にブレイクし、インディ/メジャーの壁が崩壊し始めた1996年〜1997年の混沌とした空気を見事にコンパイルした一枚と言えるでしょう。早い話、Kの総帥カルヴィン・ジョンソンレーベルをアピールするためのショウケースとも言えるのですが、ギターポップをメインBECKJON SPENCER BLUES EXPLOSIONICU(現IQU)ブレイクビーツや、THE ROOTSばりの生音ヒップホップを鳴らすBLACK ANGER MOVEMENTなど、聴き所は盛り沢山。総帥率いるDUB NARCOTIC SOUND SYSTEMもビシっとキメてくれます。
しかしながら、このコンピに収録されているような「ネクストグランジ」として注目され始めていた数々のバンドも、この後猛威を振るうことになるマッチョな「ラップ/ヘヴィロック」の台頭の前には見事に淘汰されていってしまう訳ですが、この「SELECTOR DUB NARCOTIC」は、淘汰されしまう前の当時の幸せな気分を味わうことが出来る貴重な一枚なのです