AFTERMATH華氏911

昨日配付のR25を読みました。毎号巻末には高橋秀実なる人物の「結論はまた来週」というコラムがありまして、これは読むたびに「はぁ?」という感想を抱くことが多くてチェックしていたのですが、今号では「アメリカン戦争シンドローム」と題して「華氏911」に触れていて、それを読んでさすがに今回は「はぁ!?」がMAXに達してしまったので以下引用したいと思います。

(映画の内容をざっと紹介し)
・・・それにしても、なぜ彼は現実をこんなに単純化できるのだろうか?
監督の自著によると「(アメリカは)何でこんなことになっちまったんだ? 答えはひとつ。バカなアメリカ白人どものせいだ」(マイケル・ムーア著 柏書房)
早い話、彼は単に「アメリカ白人が悪い」と訴えたいのである。しかし彼自身もアメリカ白人だ。「何てったって、俺自身アメリカ白人だもんな。…俺は自分自身が怖くなることがよくある」(同前)
察するに、この映画は彼自身のトラウマセラピーなのである。最近日本でもすっかり定着したトラウマ(心の傷)概念。癒す基本は「自分を責めないこと」である。自分は悪くない。他人が悪いと責任転嫁することで、自信を回復する心理療法だ。まわりのアメリカ白人がアホでマヌケだ明快に訴えることで、彼は「内なるアメリカ」から癒されようとしているのである。その勢いで最近では、日本についても「俺はこの戦争に対する責任という点では、ジョージ坊や(ブッシュ)よりもむしろ、あんた(小泉純一郎)のほうが重いと思っている」(『アホの壁 in USA』マイケル・ムーア著 柏書房)
この映画のコンセプトは「遠慮せず人のせいにする」ということ。相手が大量破壊兵器を持っているからと決めつけて戦争を仕掛けるのとまったく同じ論理なのである。
これを反戦映画と勘違いすることなかれ。笑いと涙に理屈なし。私は「熟慮」の精神に磨きをかけたい。

スゴイ!トラウマセラピーを「自分は悪くない、他人が悪いと責任転嫁することで、自信を回復する心理療法と言い切った!あと、アナタがボーっと熟慮している間にもイラク人と米兵はドンドン死に続けますけどね。
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