UMAはつらいよ 〜ウォーター・ホース〜

ウォーター・ホースを観ました(@109シネマズMM)。

「戦時下を舞台にした、ジュヴナイルものファンタジー」というと、記憶に新しい所では「パンズ・ラビリンス」がありましたが、照らし合わせてみる色々と面白い点がありました。
受け入れ難い現実(戦争、出征している大好きな父親)が、少年には苦痛で仕方がない。現実逃避したくて堪らないそんな中、新たな世界の扉(ネッシー)は突然少年の前に現れる。孤独な少年と、少年に託されたこの奇妙な生物は、当然のように交流を深めるが、蜜月は長くは続かず、やがて別れがやってくる。
お話はベタといえばベタ。思えば「パンズ・ラビリンス」もベタといえばベタで、しかしそんなベタさの中の「捻り」とも言える監督の描くグロ趣味だとかサド趣味だとかが絡み合いながら、ジュヴナイルものにしてはハードコア過ぎる終幕へと向かった作品でした。物語を通して少女は成長するどころか、永久に成長を封印されてしまう「パンズ・ラビリンス」と比べ、「ウォーターホース」はそんな心配など皆無に等しいです。言ってしまえば、親子で楽しめる健全なファンタジー。ユルいと言ってしまえばユルい。しかしながら、主役アンガス少年を演じるアレックス・エテル(「ミリオンズ」の男の子、老年期をブライアン・コックスが演じていて彼の回想が作品の基本構造となっている)の好演や、母親役のエミリ・ワトソンや使用人役のベン・チャップリン(ラストのこの二人の将来を匂わすカットなど凄く上手い)などが脇を固めていて、大人の鑑賞にも堪えうる作品となっています。
でも率直に褒められない一番の問題は・・・

肝心要のピー助、じゃないやネッシーの、仕草や表情が人っぽくて、ちーーーとも可愛くないところ。おまけにディズニー作品に毒されてるのか愛嬌振りまき過ぎ(中盤のブルドッグとのドタバタとか結構キツい)。
もう顔とか基本は「・_・」、驚いたら「・△・」こんなんで良いよ!と思いました。