FLUSH DANCE 〜ブラックブック〜

「ブラックブック」を観ました(@テアトルタイムズスクエア)。

ポール・ヴァーホーヴェン大先生が「インビジブル」から6年振りに描く戦争スペクタクル巨編、いや、ビッグバジェットの火サス! 期待通りの大傑作でした。
物語は至ってシンプル。第二次大戦末期にドイツ軍に家族全員を皆殺しにされてしまったユダヤ人歌手ラヘル。彼女は運良くナチスから逃れた後、ユダヤ人であることを隠すため髪をブロンドに染め、名前をエリスと変えてオランダ人レジスタンスの活動に参加する。そしてナチス内部の情報を探るため、殺された家族の復讐を果たすために、ナチス将校ムンツェに接近、彼の愛人となることに成功するのだが・・・というストーリー。
もう何も考えずに老若男女が楽しめる、邦画黄金期の娯楽大作みたいな匂いがプンプンする作品です。マンマンの毛が写るのでPG-12なのですけど、日本全国のお父さんお母さん達には是非、お宅の坊ちゃんお嬢ちゃん達を連れて行ってあげて欲しいですね。きっと真っ直ぐなイイ子に育つと思います。
何も考えずに楽しめる娯楽作、とは言いましたが、一見ハッピーエンドのようにも見えるけど物凄く救いが無いようにも思える終幕や、母国オランダに錦を飾る形で撮った本作なのに戦争終結後のオランダ人が物凄くエグく描かれていたりと、大先生あいかわらず一筋縄ではいかない底意地の悪さ。素晴らしいです。

しかし何でしょう、この肖像画みたいな宣材写真は。



こちらはテアトルタイムズスクエアのロビーにあった大先生の直筆サイン。上映前に「休日のOL」といった風情の女性が携帯カメラでこのサインを撮影していて、それがなんだかグッときました。

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