スパイク・ジョーンズ展「I'M HERE」


渋谷のDIESEL ART GALLERYにて行われているスパイク・ジョーンズ展で、彼の新作短編映画「I'M HERE」を観てきました。
詳細は以下のリンクを見て頂くとして、自分は短編映画の感想だけ少し。

あらすじを簡単に説明してしまうと、上記画像のようなポンコツロボット君が主役の、ボーイ・ミーツ・ガールの物語。特に近未来とかそういう説明はなく、スパイク・ジョーンズのPVなどでよく切り取られる、西海岸都市部〜サバーブを舞台に、お話しは進んでいきます。
シェルドン(アンドリュー・ガーフィールド)とフランチェスカ(シエンナ・ギロリー)は、ふとしたことで付き合うようになりますが、物語が進行するにつれ、フランチェスカは持ち前のドジっぷりを発揮してドンドン壊れていきます。ライヴ会場で腕がもげ、なんだかよくわからない事故?(描写はされない)で足がもげ、といった具合に。
で、このシェルドンというロボットは「君のためなら何でもしてあげる、自分の身体の一部を差し出すことだっていとわない」という感じの庇護系男子なので、それがどんどんエスカレートする。
フランチェスカの足がなくなってしまった時、無理矢理にでも自分の足のパーツと取り替えようとするシェルドンに、彼女は「待って、止めて!私の気持ちはどうなるの?」とシェルドンに問いただします。するとここで、シェルドンは、おそらくはスパイク・ジョーンズの代弁として、非常にロマンチックな台詞でゴリ押しし、彼女を納得させてしまいます。
例えば、先日公開された「グリーン・ホーネット」でのキャメロン・ディアスのキャラクターの描き方一つを見ても、ミシェル・ゴンドリーという人は同性同士のイチャイチャと異性とのイチャイチャは別で楽しむモノという認識がある人で、スパイク・ジョーンズという人は多分その両方を付き合うパートナーに求めて、途端に友達付き合いが悪くなる人なんじゃないかなー?と邪推してみたり。
個人的に「I'M HERE」という短編は、冒頭、シェルドンがバスからその世界を傍観している雰囲気がとても好きな感じだったので、そっちで魅せて欲しかった気もします。でも非常にクオリティの高い短編作品だと思いますので、ファンの方は是非渋谷まで足を運ばれたら良いと思います。

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