2008年の音楽を振り返る〜その2〜

その2は洋楽を中心に今年よく聴いたアルバムを紹介します。洋画が本当に豊作だった2008年は、海外のシーンでも面白いアルバムが毎月のようにポコポコ発売された年でもあったように思います。

New Amerykah Part One: 4th World War

New Amerykah Part One: 4th World War

Rising Down

Rising Down

エリカ様の勝負作はレーベルから切られかねないような意欲作で上半期ではブッチギリ(→感想)。しかしながらアルバムからのリードトラックであった「honey」は9thワンダー制作の非常に心地良いシングルでした(↓ヴァイナル愛溢れる名PV!)。
Erykah Baduhoney
前作から短いスパンで届けられたルーツの「ライジング・ダウン」は、ジャケのトホホ具合(売る気あるんか・・・)からは想像できない好盤で非常に勿体無いです。しかも来年3月以降はライヴツアーを行わないとか言ってるし・・・。サマソニ05で観たライヴが本当に素晴らしかったので、ここだけはちょっと考え直してもらいたいものです。
the roots「rising up」


Everywhere at Once

Everywhere at Once

トウキョウ生まれカリフォルニア育ち、MCトム・シムラ改めリリックス・ボーンの2ndはライヴバンドを従えてのパーティーっぽいアルバムを意識したんだとか。渋いVo/ラップはもはや燻し銀の域に達しております。ルックスはこんなだけど・・・↓



SWEET BROWN ADDICTED

SWEET BROWN ADDICTED

今年は折角ディスコグラフィーの中でもベスト↑とも言える名盤をドロップしたにも関わらず、気胸で入院&手術と散々な目にあったGINGER DOES’EM ALL氏に敬意を表しまして。いやホントに良いんですよ、このアルバム(→感想)。剃刀のようにソリッドかつシュー皮の如くフラッフィーなトラックをお求めなプロデューサーの方々、是非GDA氏にコンタクトしてみてはいかがでしょうか?



Renaissance

Renaissance

暮れも押し迫った頃、よく聴いているヒップホップのアルバムがコモンの新譜とQ-Tipの新譜だなんて、一体今何年だよ、という感じですが「良いものは良いから仕方が無いナァ」とシミジミしたのがQちゃんの新譜でした。
まぁ本当に「まんまトライヴ」といった内容で(3rdに近い感じ?)、悪いわけが無いのですが、微妙に最新モードのトラックにアップデートされていて、さすがというか待った甲斐があったというものです。



さてロック方面では「サブポップが何度目かの黄金期を迎えつつある」というような言及を各所で見かけた気がしましたが、同じくXLrecordingsにも強力なアルバムがいくつかあったので最後にそれを紹介しようと思います。
Bake Sale

Bake Sale

スカスカなトラックと言えばネプチューンズに端を発してクリプス〜UKグライム色々〜ザ・パック〜などという流れがありましたが、ここへ来てここまでガチでオールド/ミドルスクール・リバイバルをやる新人が出てくるとは!という脅威のユニット。音だけではなく、ファッションまでアーリー90'sというガチ加減がちょっと凄い。アルバムのイメージでも取り上げられている、エア・ジョーダンなどのベロのデカいバッシュはもちろん、四角くてゴツいセルフレームの眼鏡など悶絶モノ!「ドゥ・ザ・ライト・シング」かと思った。



Lp3

Lp3

もう一組は「合唱系インスト・エレクトロ・ポップ」とかいう変な冠が気持ち悪いRATATAT。前二作では、そう括られても仕方の無い、チープながら温かみのある宅録系インストを心情としていた彼らが、3rd「LP3」で大化け。ダンス/ワールドミュージックの影響を強く感じると言うか、ビートの強度・バリエーションがより深くなったような気がします。昨年のジャスティスがそうだったように、曲自体がヴァンゲリスなどのシンセ主体のプログレグループの影響下にあるのが非常に興味深いです。
あと、秀逸なのがPV↓
ABBAネタ
プレデターネタ
「ポール・サイモン」ネタ(名曲!)
三つとも許可とか取ってねえんだろうなぁ(笑)どのPVも最高。
2008年の音楽を振り返る〜その1〜 2008年の音楽を振り返る〜その3〜




というわけで、本年も残りわずかとなって参りましたので、最後にビズ・マーキー先生とビートボックスの練習をしながらお別れです!

来年もよろしくお願いいたします!