君はPendulumを目撃したか?

サマソニ前日の8/8(金)、渋谷O-nestでPendulumの単独公演(w/South Central)を見てきました。

自分は彼らの2ndアルバム「In Silico」を聴いてから常々「伊藤政則ならこのアルバムをどう評するだろうか?」と考えていたのですが・・・
「ペンデュラムの心を捉えて離さないクロスオーヴァー性は彼らをスーパースターにするだろう」-Kerrang!
ケラングと言えばイギリスが誇るメタル雑誌ですよ。そんな雑誌がドラムンベース出身の彼らを推しているっていう時点で、自分がヤイヤイ言わなくとも「Pendulum=メタル!」という図式での解釈が既になされていたということですね。物凄く腑に落ちました。
で、更にひっくり返ったのが、彼らのマイスペースに行くと試聴が可能な「Radio One Mini Mix」という曲。
http://www.myspace.com/pendulum
ツェッペリンに始まって〆はメタリカの「マスター・オブ・パペッツ」ですよ!プロディジーが(現時点での最新作である)「Always Outnumbered, Never Outgunned 」で、Nirvanaがカバーした「Love Buzz」のオリジナルであるショッキング・ブルーのヴァージョンをネタ使いすることによる、ある種のスノッブさ(やーねー!)に対して、潔いにも程があるスラッシュメタルの代表曲の大ネタ使い。これはちょっと感動的ですらあります。そして、このMixでもやはり、「In Silico」で提示してみせたようなハードロック/へヴィーメタルとドラムンベースの融合を見事に成功させていると思います。
そして肝心のライヴ!これがやはり完全にHR/HM的なパフォーマンス意識した、非常にテンションの高いものでした(プロディジーのカバー「Voodoo People」でのフロアの爆発っぷりったらなかった)。ですが・・・これが技術面で見るとお世辞にも「完璧だ!」とは言い切れない感じで・・・いやムニャムニャ。
もともとDJセットとして活動を開始したであろう彼らが、現在の生演奏タイプのスタイルに変更してまだ日も浅いということもあるのでしょう。しかし、それにしてもあの「ドッパン!ドドパン!」というビートは、冷徹なハンマービートのように繰り出されてこそ破壊力を発揮するはずなのに、それが時折もたってしまうのは、ちょっと残念な気がしました。
ただ、そうした演奏面での弱さを、アゲ系の曲を連発してノリで強引で押し切るスタイルでカバーしてしまうのは、さすが現場系ドラムン出身の人たち。ライヴパフォーマンスという点では見事と言わざるを得ない感じがしました。一人、MCという肩書きで観客を煽るためだけの人(機敏なべズみたいな)がいて、その人の貢献度も非常に大きいと思います。
自分が今回見た渋谷O-nestというライヴハウスは小〜中規模のライヴハウスでした。今や飛ぶ鳥を落とさんばかりのバンドのライヴをこうした小箱で見ることができたのは非常に幸運といって良いでしょう。が、やっぱりデカい会場でデカい音で、という方がライヴ映えするだろうなぁ、という印象を持ったのですが、やはり翌日のサマソニは良かったという感想を巡回先でよく見かけました。
自分がPendulumを知るきっかけとなったid:cinematicさんによると、彼らは久々に現れた「ドラムンベース界の救世主」だそうで(ロニ・サイズでさえ彼らのような成功は収めていないとのこと)今後も更にシーンでデカい存在になっていくであろう、とのことでした。ドラムンベースとHR/HMの融和性を見事に証明して見せた「In Silico」の次は、一体どんな音を聴かせてくれるのか?今後もしばらくPendulumから目が離せません!

In Silico

In Silico

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1.Voodoo People(LIVE、例のシンセのフレーズがループではなく手弾きなのが燃える!) 
2.Granite(LIVE)

  • Other Side(PV)