映画に“イチャイチャ”を取り戻せ!
映画に“イチャイチャ”が無くなって久しい。
大体、昨年の「ベスト・イチャイチャ」が「俺たちフィギュアスケーター(→感想)」とはどういうことだろう。敵対しあったかつてのライバル同士は、フィギュアの競技を通じて結束を深め、失いかけた信頼を取り戻し、彼らは最後、空に飛んでいって星になってしまう。これを越えるイチャイチャが、近年の映画界から失われている状況を、私はただただ嘆き悲しむばかりである(しかも「俺フィギュ」に至ってはもうへテロですらない!)。
80年代。スクリーンを覗き込めば、大概は皆、イチャイチャしていた気がする。マイケル・J・フォックスはタイムトラベルで過去の自分の母親とイチャイチャし(され)、トム・クルーズは美人教官とイチャイチャし、今となっては信じられないかも知れないが、エディ・マーフィーが幾多の作品で無名女優(その作品がデビューにしてピーク)とイチャイチャしていた。
ところが最近の映画はどうだ?やれ黒人ギャングの成り上がりの話だの、やれ地球最後のオレ様に水道水を浴びせる気か!だの、やれプロ幼女に骨抜きにされるデカイ白熊だの、そんなのばかりじゃないか!
私はイチャイチャが観たいのだ!普通の映画で、そうすることが当たり前かのように挿入される、男と女がユル〜くイチャつく、そんなシーンが観たいのだ!
「やれやれ」ボヤキながら私は、「新作の予習に」と先日購入した「インディ・ジョーンズ」シリーズのDVDボックスを「失われたアーク」、続く「魔宮の伝説」とぼんやり鑑賞しはじめたのでる。
「魔宮の伝説」での、考古学者にして冒険野郎:インディ・ジョーンズと上海のショー歌手:ウィリー・スコットは、出会いが最悪だったこともあり、常に険悪なムードを匂わせている。ウィリーは「勝気な女性」という役柄の演出の為にツンデレがデフォルトで、案の定、物語にエンジンがかかりはじめる中盤まで、ほぼ彼女は“ツン”を突き通す。
中盤〜後半にかけての舞台:パンコット宮殿(実は悪の巣窟)での一夜、良いムードになりかけ、デレがようやく顔を出しはじめた…!というまさにその時、二人は些細な事で喧嘩をし、「アナタがこの部屋に戻ってきて謝るまで5分とかからないわネ!」「ナニを偉そうに!君の方こそ5分も経たずに僕の部屋を訪ねてきても知らないゾ!」といった「5ミニッツ」を巡る、とてつもなくクドいやりとりがある。
・・・これだ・・・私が求める“完全なるイチャイチャ”は、ここにあったのだ!
*1
上記画像での「女性の顎を持つ男性」。コレをされるのが何より虫唾が走る!という女性読者の方々も少なくないだろう。しかもこの前のシーンでは、去りかけたウィリーに鞭を絡ませ引き寄せるインディ、という決定的に中ピ連に怒られそうな場面まで登場する(そんで引き寄せてコレ↑)。
「魔法にかけられて(→感想)」のクライマックスにおけるアクションシーンでは、この辺りの性差が完全に逆転していて非常に興味深かった。だから是非、「インディ4」でも趣向を凝らした現代的なイチャイチャを、スクリーンに甦らせて欲しいモノである。
でも、もしかしたら、新作でのイチャイチャ要員は年齢的に考えてもインディじゃなくてチン坊*2なんだろうか…それはちょっとナァ…。
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