俺たちジャーナリスト 〜ハンティング・パーティ〜

ハンティング・パーティを観ました(@109MM)。

 ボスニア紛争の生中継で失態を演じ局をクビになって以来、消息を絶っていたかつての一流戦場レポーター:サイモン・ハント(リチャード・ギア)。サイモンのパートナーであった戦場カメラマン:ダック(テレンス・ハワード)は、仕事で訪れたボスニアで、偶然にもサイモンとの再会を果たす。サイモンはダックに、「大虐殺の首謀者で、500万ドルの賞金首である重要戦犯フォックスの居場所を突き止めた」と打ち明けるのだが・・・というお話。
冒頭、ストップモーションにナレーションが被さる、というスコセッシ風のアヴァンタイトルがサクサク進んでいくと「全然話題になってないけど、ひょっとしたら大傑作なのではないだろうか?」という思いが頭を巡るが、「どん底からの復帰をかけた、私情も絡んだ復讐戦」という命題が明らかになってからも、テンポの悪さが災いしてイマイチお話に乗りきれない。役者は皆、良い仕事をしているし、それなりに面白いのだけれど、本当に「それなりに」で、この面子、このネタ(ボスニア紛争終結後、2000年のサラエボが舞台)で、出来上がったモノが「それなり」ってのはちょっとナァ、と思いました。賛否両論あるオチに関しては、パンフレットでリチャード・ギアが「自分の主演映画だし、良い脚本だとも思うけど、いやー、そんな単純な解決の仕方はマズイんではネエのか?」とか言ってて面白いです。
とはいえ、こうやってブログでウダウダ書き連ねるのは、何某かの可能性を感じているからこそ。監督・脚本のリチャード・シェパード(「Ugly Betty」のパイロット版を手がけたそうで)は、次作では凄い傑作を撮るかもしれないのでフォローもちょっとしておくと、本作は画作りが中々素晴らしい映画でした。内戦の傷跡がそこかしこに残る、サラエボ現地の荒涼っぷりを切り取ってみせるデヴィッド・タッターサル(「SW EP1〜3」の人)の撮影は、上半期でNo.1かも、というぐらいに良かったです。
あと、まさか2008年にシネスコの大画面でチャック・ノリスの神々しいお姿を拝めるとは思ってもいませんでした。そのフッテージを使うセンスに乾杯!