PUNK TO FUNK TO PUNK 〜Limelight Blue on the Q.T.〜

Qomolangma Tomatoのセカンドアルバム「Limelight Blue on the Q.T.」が発売されました。

Limelight Blue on the Q.T.

Limelight Blue on the Q.T.

Vo石井くんの2月の日記で「現段階で1stと比べると、コード感が薄れ、リフの鋭さもない。難解で無理やりな曲展開さもなくなって、10代沸々の詩世界じゃなくなってる。」と言及されていて、一体どんな感じになるのやら・・・と期待と不安が入り混じりながら待つこと2ヶ月あまり。最近では新譜を購入しても「即リッピング→主に移動中にMP3プレイヤーで聴く」なんてことをついしてしまいがちですが「やっぱりたまには美味しいコーヒーをジックリと一人で飲みたいだろー?!なー!」と、ステレオの前に正座、歌詞カードに目を通しつつ、マンジリとアルバムを始めから終わりまで聴いてみました。
確かに1stにあったDCハードコア直系のようなリフ然とした感じより、ポストパンク〜NW〜フェイクファンク(でもシャキシャキしてるからフェイクっぽくはない)を連想するような、色々な意味で楽曲のレンジにより深みを増した力作だと思いました。石井くんのVoも相変わらず歌とラップの間を行き来するような感じで、普通こんだけ色々なジャンル要素を取り込んだら“ミクスチャー”という使い古された言葉が脳裏をよぎると思うのですが、そんな感じが皆無に等しく、一本筋の通ったバンドのオリジナリティとしてしまっているのがちょっと凄いと思います。
でもって、レコ発:初ワンマン(@下北沢シェルター)にも足を運んできました。

シェルターという狭い箱が、それこそチョモランマ・トマトと同世代orそれよりもっと若い世代の客で溢れていました。自分のようなオッサンはマイノリティかつアウェー感がありありだった訳ですが、前からこのバンドの世代論みたいなモノを上手く言い表せなくてモヤモヤしていて、この日はライヴを見てよりそういう思いを強固にしたのですが、まさに自分が言いたかったそれをSOTFさんが「下流インテリのための音楽」とまとめていて「ああ!ソレ!」と膝を打ちました。

今は下流かつインテリな奴が溢れ返ってる時代だと思うんですよね。(略)フツーに働いてフツーに飯食ってフツーに歳を重ねてってフツーにモヤモヤしてる元若者まで。
インテリ系の悲劇には、文化に毒されてるっていうところに根を張る問題がいっぱいあると思うんだけど、そういう問題を抱える奴等のための音楽だと思います。"問題"とか書いたけど、実は"問題"ってほど"問題"でもねえべ、ってぐらいで、ただただ何となしの空気感とか閉塞感を知っている奴全般のための、っつーか。
と、考えるとこれはもうロックバンドたるロックバンドで、そりゃチョモは時代の寵児だよ、とか思うんすよね。

ライヴの内容は、拳と一緒に足もガンガンあがり、それに対してフロントマン石井くんがダイヴで応えるようなモノモノしくも熱いライヴで、パフォーマンス/演奏的にも彼らの成長(骨が伸びる音がポキポキ聞こえてきそうな)が手に取るようでした。
物販コーナーに加茂啓太郎氏がいらしたので、オズオズと「サインください」とお願いすると「誰のですか?」と聞かれたので「いや!加茂さんのです!」というと苦笑しながら「僕のサインなんか入ってたら後で売れなくなりますよ!」としながらも快くサインに応じて下さいました。

家宝にしたいと思います!


  • FIVE SENSES-FIVE MINUTES