ジェネレーション・エロカワ チョモランマトマト

ディスクユニオンでは「FUGAZI×レッチリ×INU!?」みたいな売り方をしていて、それぞれのファンからは煙たがられそうですが、でもこれがまんざらウソではない。何かスンゴいバンドが(しかも地元横浜から!)出てきちゃったな、というのがアルバムを何度か聴き終えた後の感想です。日本のアット・ザ・ドライヴイン、と言えばもっと話が早いかも知れません。
バンドのプレイヤビリティは異様に高く、小難しくなる一歩手前で激情として昇華し吐き出していて、それはVoの石井成人が一番顕著。ポエトリーというか、歌ともラップとも付かないスタイルで、83年生まれがアジる!ガナる!
メンバーは皆、82〜84年生まれ。就職氷河期世代よりは後で、ゆとり教育世代よりは前(倖田來未は82年生まれ)。彼らが発する音には、カテゴラズ不能なエモーションや強かな柔軟さがあり、同時にどこかに属して身を置きたくても居心地の悪さが先行してしまって肩身の狭い思いを強いられてしまう悲しみが込められているような気がします。
「言いたいことを言うのに必至だが言い切った実感はない」 〜through your reality〜
これより大人になって利口になってしまうと吐露できなくなってしまうであろう、ブランクジェネレーションの切実な叫び。ヒリヒリしないわけがない37分50秒。必聴です。


through your reality



ネタのないパブリック



蒸発のイメージ


ジャケットも非常にインパクトがあると思うので、「ジャケ買い百選」にもリンクしておきます