ヤ・VICE 〜マイアミ・バイス〜

コリン・ファレルってさぁ、なんか声とか作ってネ?」「ジェイミー・フォックスの顎鬚が何かヘン」「コン・リーがさ、なんかいつも困ってるみたいな顔してた」「で、内通者のくだりはどこに落ちたわけ?」「そもそもサァ・・・マイアミ・バイス』じゃなくても良かったんじゃね?」(言っちゃった…)
2006年のバディムービーを、id:gotanda6さんが新たに提唱してみせたゼブラ・エクスプロイテーションこと「マイアミ・バイス」を遅ればせながら鑑賞いたしました(@109シネマズMM)。
マイケル・マンの映画って割と好きなんですけど、「ヒート」における「ちょっと用事を思い出した」と憤怒を包み隠して微笑みながら急なUターンを切るデ・ニーロだとか、「アリ」で「キンサシャの子供たちは、どうしてこんなにもオレを支持するんだろう?」という理由が解るシーンだとか、「コラテラル」でゴロツキ共を秒殺してしまうトム・クルーズに背徳的な快感を覚えたりetc…と、そういった印象的なシーンが無かったのがちょっと辛かったですね。冒頭の麻薬取引の際に登場した「腕が吹っ飛ぶほどの銃火器」には物凄く興奮したのですが、今回、これまでのマン作品にあったような「1shot,1kill」的な美味しい場面は、潜入捜査チームのスナイパー(?)役の女優さんが全部持っていきます。
しかしながら、それらの私的にイマイチと感じた点を補って余りある、と感じたのがビデオ撮りによる映像。なんですかあの紫色の夜空は(画像参照)。HDのデメリットを逆手にとって、フィルムでは切り取れない、独自の映像世界を展開しているように思えました。
ラストの銃撃戦も、音響が凄かったです。「音がデカイ」とかではなく「パタパタパタ」という、実際の銃声のような(実際の銃声を間近で聞いた事ないけど)、ドンパチの最中に身を置いたようなリアリティのある音像になっていて「ようはコレがやりたかっただけでしょ!」と勘繰ってしまいました。まぁそういうのが好きな人は映像&音響の良い劇場で是非どうぞ。