「クラッシュ」を観ました(@チネチッタ川崎)。
「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を手掛けたポール・ハギスの初監督作品。いわゆる群像劇ですが、中々骨太で良かったです。緻密なドラマを映像の力で更に強固にする、映画というメディアならではの“映画力”のような物が感じられて好感が持てました。
恐らく、この監督の念頭には「マグノリア」があったはずですが(言わないだろうけど)、「天才少年がお漏らししちゃったのをバレないように必死に隠蔽」「キメてる真っ最中にお巡りキター!」「話したくない過去の父親の事を問い詰められるセックスのカリスマ」など、キワモノな人々の一見マヌケなシチュエーションをかき集めてテンションを構築していったポール・トーマス・アンダーソンに比べ、「クラッシュ」のポール・ハギスの場合は、市井の人々の有り得ないような巡り合わせ(クラッシュ)を、「これでもか!」とばかりドラマチックに描くので、同じ群像劇でも、ある意味では対極にある作品と言って良いでしょう。もう色々な所ですでに観た方々が仰ってますが、マット・ディロンのエピソードとかチカーノ親子のエピソードとか、思わず劇場で「うわーーー!」と声無き声をあげてしまいました(またその見せ方の上手いこと!)。
一作目でコレ、っていうのは相当に強固なヴィジョンがあるからこそだろうし、次回作以降、大化けする可能性も大でしょう。ポール・ハギスという結構な遅咲きの作家(これまではTVを中心に活動していた50代)の今後に注目したい所です。
今回、終盤に凄く美味しい役回りで出演しているリュダクリスさんですが、非常に良いお芝居をしています。役者としても充分やっていけそう。
あ、日本を代表する“スーパーDJ”の画像が一枚混じってしまいました。
エンドロールでステレオフォニックスの「Maybe Tommorow」が流れるのがとてもよいです。
I look around at a beautiful life
Been the upperside of down
Been the inside of out
But we breathe We breathe
I wanna breeze and an open mind
I wanna swim in the ocean
Wanna take my time for me
All me
So maybe tomorrow I'll find my way home
So maybe tomorrow I'll find my way home
You Gotta Go There to Come Back
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エレピのモコモコした感じと泣きのギターがイイ。歌詞も凄くイイ。