「ジャーヘッド」を観ました(@109シネマズMM)。
期待していたサム・メンデスの監督三作目。「もはや戦争でさえ退屈である」という、非常に画期的な映画だと思いました。
まず敵が全然出てこない。ど派手な戦闘シーンも無し。攻撃されても米軍による誤射だったりする。訓練して訓練して息抜きに騒いだらヘマをやって怒られたり。母国の彼女を思ってオナニーしたり。砂漠での熾烈な戦闘を予想していたらスポーツ科学的にたっぷりエヴィアンを補給させられたり。戦闘かと思ったら「油田を守れ」と命令されたり。虚無的なエピソードを積み重ねていき、クライマックスにその蓄積が爆発するシーンがあるのですが、そのピークさえも絶対的に虚無という徹底ぶり(そこに流れるのがPE「ファイト・ザ・パワー」という皮肉)。作戦名は「おぺれーしょん・でざーと・すとーむ」とかいう名前でした。
戦争ですら退屈だったのに、帰国後のその生活が面白いわけがあるまい、という、とてつもない虚脱感を漂わせてこの映画は幕を閉じるのですが、そのあまりにも悲しく美しい余韻に圧倒されてしまいました。
役者で言えば主役のジェイク・ギレンホールはもちろん素晴らしいのですが、脇を固めるジェイミー・フォックスとピーター・サースガード。
ジェイミー・フォックスはすごい安定感で、鬼軍曹だけでは終わらない今日的な職業軍人を好演。一時期にサミュエル・L・ジャクソンに振られていたような役は今みんな彼の所に脚本が回っていたりするんでしょう。サースガードはエドワード・ノートンとキーファー・サザーランドを足して二で割ったような顔をしています。あと、隊で一番の困ったちゃんを演じるイヴァン・ジョーンズは・・・
「8 Mile」で自分のアレをアレしてしまう彼ですね。
あと「ジャーヘッド」は流れる音楽も印象的でした。何故なら全部オンタイムで聴いてたから!
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