「果てしなき渇き」読了。

果てしなき渇き

果てしなき渇き

行方不明になった高校生の娘を捜し求める元刑事の男のエピソードと、娘の中学生時代を同級生目線で追うエピソードが交差しながら同時進行していくクライムノベル。第三回「このミステリーがすごい!」大賞作品です
主人公の藤島という人物は娘を捜索する過程で散々な目に遭い、かなりハーコーで共感し辛い行動に出たりもするのですが、「娘に会いたい、彼女を救いたい」という一心で突き進むその様に、不快感を抱きながらもページを止める事が出来ませんでした。特に藤島が思いもしなかった「娘の一面」が露呈する中盤〜後半にかけては、両エピソードとも畳み掛けるように一気に読ませます
かなり読む人を選ぶ作品だと思いますが、徐々に変貌していく主人公:藤島のキャラ造形を興味深く追う事が出来ました。後半、彼はシャブによってドンギマりの状態で娘を探すことになるのですが、何となく「グッドフェローズ」のレイ・リオッタを思い出しました

グッドフェローズ スペシャル・エディション [DVD]

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シャブじゃなくて「コークでドンギマりの一日」を追ったエピソードが秀逸。
Nilsson Schmilsson

Nilsson Schmilsson

そしてその一日はニルソンの名曲「jump into the fire」で幕を開けます