「ミリオンズ」を観ました(@シネマライズ)。

ある日突然、空からお金が降ってきた!しかもこのお金は、しばらくしたら使えなくなっちゃうんだって!ワー!お金を使い切れー!!!というお話



「もしポンドからユーロに切り替わったら?」という架空の設定の元、ガキんちょに大金を渡したらどうなるか?という非常に素晴らしい鋳型を作っておきながら、出来上がった鋳物がどうして「お金より、家族ってイイね。みつを」みたいな、凡庸な映画に成り得るのか?色々と原因はあると思うのですが、ココの書評などを読むと、ディティールを詰め込む語り口で圧倒する原作を、「ガキんちょが主人公」という理由だけで子供向けの映画(というか、子供も大人も楽しめる映画)に解りやすくシフトチェンジしたが、それがあまり上手くいっていないように感じました
監督のダニー・ボイルのデビュー作「シャロウ・グレイブ」は、突如舞い込んできた大金によって人間関係を破綻させる3人の男女(男2人・女1人)の物語でした。設定だけ見れば「ミリオンズ」と対をなす作品と言えますが、「シャロウ〜」の後味の悪さを伴った感慨深さと比べると、「丸くなるとはこういうことか」と、映画業界で生きていく大人の事情を垣間見たような気分になって、ちょっぴり寂しくなりました。

追記:聞くところによると、ダニー・ボイルは「自分の子供に見せたい映画として作った」みたいなことを言ってるらしいです。えー!ジャンキーの青春モノで名を上げた監督がそういうこと言う〜?!