「サヨナラCOLOR」を観ました(@MOVIX本牧)。


竹中直人の映画はデビュー作「無能の人」から一応全作追いかけているのですが、以前id:throwSさんが「竹中直人の映画って主演女優へのラヴレターみたいで、観てるコッチが恥ずかしくなる」というようなことを仰っていて、なるほどなぁ、と思ったことがあります。


デビュー作の「無能の人」はそれほどでもない気がするのですが、2作目の「119」は確かに鈴木京香へのラヴレターだし、アラーキー&亡くなった奥さんをモデルにしたという「東京日和」も、それが更に強固になった中山美穂へのラヴレターであったと思います。しかし、前作「連弾」では相手が天海祐希だし、作品の内容も崩壊家庭の話でラヴレターになりようがないし、個人的には結構面白く観ることが出来たのですが、「サヨナラCOLOR」では、以前の悪い癖がまた出てしまったように感じました。今回は原田知世へのラヴレターです。しかもゴリっゴリの。
具体的に例を挙げれば、フワっとしたロングスカートにクルーソックス(!)を履かせて海岸を歩かせたり、「ああこういうの好きなんだろうなぁ」というシャツワンピースを着せたり、もうフェチのオンパレード。さらに職業がガラス細工のランプ作家(!)、恋人が売れっ子スタイリスト(!)、友人が鎌倉で雑貨屋を営んでいる(!)、などなど、お腹が一杯になるガジェットが盛り沢山
更にオープニングはスチャダラ&アフラがラップをしながら登場するのに始まり、永積タカシBIKKE原田郁子清志郎スカパラ谷中敦大森はじめなどなど、カメオ主演者が超豪華。渋谷/下北系のお正月映画かと思いました。
肝心の映画の内容と言えば、この映画って自分が高校生ぐらいに読んだ彼の自伝的エッセイ「少々おむづかりのご様子」が元になっていて、その中の面白エピソードが色々と盛り込まれているのです(好きな女の子の気を引こうとして、その子が授業を受けている教室の向かい側の棟の屋上に登って柵からぶら下って落ちそうになったり、とか)。このエッセイには竹中氏が「気持ち悪い」と言われ続けた青年期の非モテのエピソードがテンコ盛りで、同じような青春時代を過した自分にとっては少なからず思い入れのある本だったので、正直「サヨナラCOLOR」のような映画に無理矢理ねじ込むようなことはせずに、この題材で1本撮って欲しかったなぁ、という思いが鑑賞後に強く残りました。救いだったのは原田知世の高校時代を演じる藤澤志帆ちゃんが非常に可愛らしくて思わずホクホク顔になってしてしまったのと、竹中直人の高校時代を演じている子がソックリかつ上手くて「誰だろう?」と思って調べてみたら「無能の人」「119」で息子役を演じていた男の子でした!大きくなったなぁ!「連弾」の時にも思いましたが、竹中氏は子役や新人のチョイスが毎回絶妙な気がします
納得いかない思いでエンドロールを眺めていたら、本作品はなんと売春は魂に良くないなどとのたまうお爺さんが長官を務めるココ支援の映画のようで…チャーリー・ボブ彦よ!そ、そういうことなのか…??
でも原田知世はホンツにキレイに撮れているので、id:samurai_kung_fuさんを筆頭にかつてゴリっゴリのファンであった人たち/現行の知世ファンの皆々様にはお薦めの作品です。

少々おむづかりのご様子 (角川文庫)

少々おむづかりのご様子 (角川文庫)

サヨナラCOLOR公式→ http://www.zaziefilms.com/sayonara-color/
藤澤志帆ちゃん☆→ http://www.bbweb-arena.com/users/tomato/fujisawashiho.htm