「リンダリンダリンダ」を観ました。
同じバンド物「メタリカ:真実の瞬間」の閉塞感と比べると(比べるなよ)、何なのでしょうこの清々しさ、解放感は。40を越えたオッサン達と、ジッタリン・ジン「プレゼント」の歌詞でケタケタ笑う初々しい女子高生の違い、単純にそうした言葉では片付けられない気がします。適度な束縛の中にある適度な自由。その自由の中での、かつては誰もが持っていたはずの「自覚の無い一瞬の輝き」。そうしたモノを上手く切り取っている映画だと思いました。
とまぁ、わかった風なこと書きましたが、これはもう完全にペ・ドゥナの映画でしょう。25歳の韓国人女優が日本の高校へ留学してきた女子高生を演じる、なんて聞くと、色物映画以外の何者でも無いという印象を受けますが、驚くことにドゥナちゃんが登場する主要な女の子4人の中で一番女子高生らしく見えました(とにかくちょっとした仕草や、間の取り方などがイチイチ素晴らしい)。これに対抗するには「英語を教える為にやってきた教師(地味なオールドミス)=ジュリエット・ルイス」ぐらいの配役を考えないとダメでしょう。とにかく物凄いインパクトでした。
空中キャンプさんがココやココのエントリで「スクールデイズ*1とは何だったか?」を紐解いていらっしゃいますが、「〜高校時代に戻りたいなんてことは全く考えませんが、そうやってなにかをやろうとする子どもたちを、あたたかい視点でサポートする、軽音楽部の顧問役(甲本雅裕、ヒロトの弟!)に、いちばん感情移入した。」という辺りに非常に共感致しました。自分も卒業して以来、高校時代に戻りたいとか思ったことはないけど、ちょっと高校生に戻ってみたくなりました。
デジタルビデオ全盛の時代に、ちゃんとフィルムで、しかも全編ロケで校内の様子をシッカリおさえているのも良かった(あと、群馬という設定も)。ドゥナちゃんの起用も含め、色んな意味で監督の計算が勝因となっている映画だなぁ、と思いました。
*1:スクールデイズを変換したら「スクールで伊豆」となった