「キングダム・オブ・ヘブン」を観ました(@109シネマズMM)。

十字軍のエルサレム侵攻を描く、って「このタイミングで凄い題材を選ぶもんだなぁ」と思っていたら狙いはまさにそこで、イラク戦争以降のブッシュ政権(特にネオコンとかの取り巻きに)に対して「バ〜〜〜〜カ」って言ってる映画でした
ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が渾然一体となったエルサレムで、話し合いによる平和的な解決を望む東方教会の王はハンセン病で死の床にあり、取って代わる戦争推進派のテンプル騎士団が火に油を注いで状況を悪化させる、という構図を非常に解り易く提示していて好感を持ちました。「ギブミー・ア・ウォー!」って言ってるし(笑)。そしてそこに鍛冶屋にして名立たる騎士の息子、という設定のオーランド“akaオーリー!”ブルームが絡む訳ですが、後半はエルサレムを死守する彼をヒロイックに描いた「技術屋目線の戦争モノ」となり、気持ち良く収まる所にストンと収まるようになっています。「エルサレムとは何だ?」というオーリーの問いに対して、イスラムの王サラディンが放つ、
nothing・・・but everything.
という言葉が非常に印象的です。出演者では終始仮面を被り、声色と立ち振る舞い(あと撫で肩)だけで死期の近い王様を演じきったエドワード・ノートンに感動致しました。
あまりにもイスラム側が物分りの良い人だったり、オーランド・ブルームがカッコ良過ぎるきらいもあるかも知れませんが、たまにはこういう正統派っぽい史劇モノも楽しいなぁ、と素直に思える一本でした
追伸:概ね満足の行く内容だったのですが、いかんせん英語劇なので、イスラム兵同志が鼓舞し合うシーンでの台詞が「ブラザーズ!ブラザーズ!アッラーアクバル!」なのにはさすがに笑いを禁じ得ませんでした。